40歳代、50歳代になると、老後に向けた貯蓄について不安を感じる人が多いです。中には、65歳以降も働いて、生活費を稼ごうと検討している人もいるかもしれません。

では、いったいいくらの貯蓄があれば、65歳から完全リタイアしても大丈夫なのでしょうか。

本記事では、月22万円の年金を受け取る「貯蓄3000万円」の夫婦が、65歳から完全リタイアして老後の支出をすべて賄えるのか解説します。夫婦の寿命ごとにシミュレーションするので参考にしてみてください。

1. みんなの貯蓄はいくらか

まずは、現在の60歳代夫婦がどれくらい貯蓄をしているのか確認しましょう。

総務省統計局「家計調査/貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、60歳代二人以上世帯の貯蓄実態は以下のとおりです。

1.1 60歳代二人以上世帯の貯蓄分布

  • ~100万円未満:8万88世帯(6.99%)
  • 100万円~:4万2726世帯(3.73%)
  • 200万円~:3万4326世帯(3.00%)
  • 300万円~:2万9066世帯(2.54%)
  • 400万円~:3万284世帯(2.64%)
  • 500万円~:3万2533世帯(2.84%)
  • 600万円~:3万732世帯(2.68%)
  • 700万円~:3万3043世帯(2.88%)
  • 800万円~:3万8922世帯(3.40%)
  • 900万円~:2万5797世帯(2.25%)
  • 1000万円~:7万107世帯(6.12%)
  • 1200万円~:5万4300世帯(4.74%)
  • 1400万円~:3万9877世帯(3.48%)
  • 1600万円~:3万9816世帯(3.48%)
  • 1800万円~:4万4619世帯(3.89%)
  • 2000万円~:9万6900世帯(8.46%)
  • 2500万円~:8万930世帯(7.06%)
  • 3000万円~:13万4127世帯(11.71%)
  • 4000万円~:20万7478世帯(18.11%)

平均貯蓄額:2539万円

貯蓄が3000万円以上ある世帯は29.82%と少数派です。また、貯蓄が1000万円未満の世帯は39.07%もあります。

貯蓄が3000万円ある世帯は一般的にお金持ちの世帯であることがわかるでしょう。