厚生労働省は2024年1月24日、「令和5年賃金構造基本統計調査速報」を公表しました。
資料によると、フルタイムで勤務する人の平均月給は31万8300円。
これは前年に比べて2.1%の増加で、30年ぶりの高水準とのことです。
では年金生活になったとき、年金収入として「月額30万円」もの年金を受け取っている方はいるのでしょうか。
2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、確認していきましょう。
※厚生労働省の資料の「厚生年金」金額には、国民年金の金額も含まれています。
1. 厚生年金の平均月額は約14万円
実は、直近の厚生年金の平均月額は14万3973円です。
1.1 男女別の平均月額
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体は14万3973円である一方、男女で月約6万円の差もあります。いずれにしても、月額30万円以上というのは難しい水準であると予想できます。
次に、厚生年金をひとりで「月額30万円以上」受給する人は何パーセントいるのかみていきましょう。
1.2 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
※国民年金部分を含む
2. 厚生年金「月30万円以上」の割合
- 全体:1万2490人(0.08%)
- 男性:1万2164人(0.11%)
- 女性:326人(0.01%)
厚生年金を「ひとりで月30万円以上」受給しているのは1万2490人。割合にして0.08%です。
3. 「国民年金(基礎年金)だけ」の人の年金事情
一方で、厚生年金に加入していない方もいます。例えば自営業やフリーランス、専業主婦(主夫)の方などがあてはまるでしょう。
この場合、将来の年金収入は老齢基礎年金のみとなります。こちらの平均月額も確認しておきましょう。
3.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
3.2 国民年金(老齢基礎年金)受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金のみでは5万6316円となりました。
厚生年金に比べるとさらに水準は低く、「月額30万円の年金収入」を目指すのは難しいことがわかります。