「59歳独身ですが退職金がないそうです。貯蓄ゼロでもなんとかなりますか？」おひとりさま老後の年金額セカンドライフとなる老後生活に向けて今からできることを

2. 貯蓄ゼロでも老後生活は問題ない？年金額から考えてみる

前章では、60歳代の貯蓄割合について見ていきましたが、約3人に1人のおひとりさま世帯が貯蓄ゼロの状態で老後生活を送っています。

「老後に年金だけで生活していくのは厳しい」とささやかれている現代において、貯蓄ゼロでも老後生活はしていけるのでしょうか。

厚生労働省年金局の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老後の収入源となる「老齢年金（国民年金・厚生年金）」平均月額は下記の結果となりました。

国民年金（原則日本に住む20歳から60歳未満の方が加入する年金）

国民年金の男女全体平均月額：5万6316円

厚生年金（主に公務員や会社員などが加入対象で、国民年金に上乗せして年金が受け取れる年金）

厚生年金の男女全体平均月額：14万3973円

老齢年金の平均月額は、国民年金で「5万6316円」、厚生年金で「14万3973円」でした。

なお、上記の年金月額は「額面」であり、ここからさらに税金や保険料が天引きされるため、実際に振り込まれる額はさらに少なくなることが予想されます。

国民年金・厚生年金どちらも現役時代の収入と比較すると低く、年金だけで生活していくことを想定した場合、支出を極端に抑える必要が出てくるとうかがえます。

上記から、貯蓄ゼロの状態で老後を年金だけに頼って生活していくのは、現実的に厳しいことがわかります。