1.1 厚生年金基金

厚生年金基金は、2階部分の厚生年金に上乗せして支給する企業年金です。

厚生年金の一部を国に代わって給付するほか、年金額を加算して支給する制度でした。

確定給付企業年金が新たに代わる企業年金の制度としてスタートしたため、1996年度末のピーク時から徐々に減少を続け、2014年度から新規設立は認められていません。

1.2 確定給付企業年金

確定給付企業年金は、事業主と労働者が合意のもと、退職後の年金給付額を設定して、必要な掛金を会社が負担する年金制度です。

確定給付企業年金には、「規約型」と「基金型」の2種類があります。

  • 規約型:掛金を外部が管理・運用して給付を実施する方法
  • 基金型:別法人の企業年金基金が年金資産を管理運用する方法

基金型を実施する場合は、加入者数が300人以上である必要があります。

従業員が受け取る年金額が約束されているので、運用額が給付予定額に満たない場合、会社が追加で負担しなければいけません。

1.3 企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金は、企業が掛金を従業員に拠出して、従業員が自ら資産を運用する年金制度です。

従業員は、それまでの運用実績に応じて積み立てた資産を退職金として受け取ります。

掛金は会社の規定によって決まっていて、役職の階級に応じて掛金の上限額が定められているケースが一般的です。

2. 大企業の企業年金と退職金

では、大企業が実際にどのような企業年金を準備しているのか、また退職金が勤続年数に応じていくら異なるのかを確認しましょう。

人事院が2023年8月10日に発表した「民間企業の勤務条件制度等調査」に基づいて解説します。