3. 老後の生活資金として十分?
企業規模が大きい会社ほど、企業年金も準備されており、かつ退職金も手厚く支払われる傾向が高いことが分かりました。
とはいえ、企業から受け取る退職金だけで老後資金が安泰といえない可能性もあるでしょう。
その理由に「退職金の増税」と「退職後の税や社会保険料の負担増加」があります。
退職金の増税とは、これまで勤続年数が20年を超えると退職所得控除が増える仕組みでしたが、この制度を撤廃する可能性が示唆されているのです。
2023年中の検討は見送られましたが、今後は導入に向けた議論が生じる可能性もあります。
また、退職した年金受給者も健康保険料の引き上げや年金額の実質目減りなど、負担が重くなっている状況です。
今後も、少子化が加速すれば高齢者も負担が増える可能性は高いでしょう。
そのためにも、退職金だけに頼らず、早いうちから自分で資産形成しておくと安心です。
4. 退職金以外の資産も準備しましょう
大企業に勤めていれば、企業の福利厚生も手厚いので、退職金も手厚く給付される可能性が高いです。
老後の資産として退職金があるかないかは資産形成の準備や計画に大きく左右します。
とはいえ、退職金だけに頼ると、増税や社会保険料の負担といった不測の事態が生じる可能性もあります。
退職金以外の資産を増やしておけば、老後の資産形成にもつながるので、より安心して老後生活を過ごせるでしょう。
参考資料
- 一般社団法人日本経済団体連合会「2023年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」
- 企業年金連合会「企業年金制度」
- 金融広報中央委員会「厚生年金基金」
- 人事院「令和3年民間企業の勤務条件制度等調査」
川辺 拓也