アメリカ留学生活最初の学期が終了しました。

大変だったこともありつつ、授業や課外活動を通じてアメリカ社会についての理解を深められたと感じます。今回は、アメリカで暮らす中で感じる、アメリカ社会の多様性への配慮を紹介します。

日本でも外国人利用客が増えているので、サービスや商品展開が今後変わってくるのかな? と感じることがあります。

1. 人種に配慮した商品の展開

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The Image Party/shutterstock.com

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日本からアメリカに来て思うのは、公共交通機関などで、多様性に配慮した作りになっているものが日本と比べて多いなということです。

1.1 特に化粧品売り場がすごい

人種の多様さへの配慮を感じたのは、化粧品売り場でした。

白人が8割以上を占める町にも関わらず、ファンデーションのカラーバリエーションが豊富で、日本ではめったに見ない色のファンデーションが陳列されていることに驚きました。

ファンデーション以外にも、直毛以外の髪質に応じたヘアケア商品なども、人種の多様性を配慮した商品展開になっています。

1.2 日本もさまざまな外国人が増えている

 

 

日本では確かに人種の多様性はアメリカほど進んでいないと思います。

しかし、2020年に行われた国税調査の統計によると、2015年から2020年にかけての日本における外国⼈⼈⼝は 83 万5千⼈の増加(43.6%増)があったようです。

3年ほど前の国税調査とはいえ、新型コロナウイルスの影響も受けながらこの増加率だったので、規制が緩和した現在では、さらに多くの外国人の方が日本に住むようになっているのではないでしょうか。

国籍別の割合を見てみると、アジアの方がほとんどですが、国籍だけでどの人種が多いかは判断できません。

これから日本の人種の多様さがどうなるかはわかりませんが、永住しなくても、留学などで日本に長期滞在する外国人は増えていくと予想できます。

日本でもじきに、アメリカのような人種の多様性に配慮した商品がスーパーやドラッグストアに並ぶようになるかもしれませんね。少人数のためのものは、それだけコストもかかるかもしれませんが……。

2. ジェンダーニュートラルトイレ

アメリカでジェンダーの多様性への配慮を感じたのはトイレです。

2.1 色で性別のイメージを作らない?

まず、大学内のトイレは男女別のトイレの表示が青と赤で使い分けられておらず、すべて青で表記されています。色に関するジェンダーステレオタイプをなくそうという大学の意思を感じます。

日本では性別によって色が変わっていたので、はじめは「間違えて男性用トイレに入ってしまっているのではないか」とひやひやしました。

2.2 ジェンダーニュートラルトイレが多くみられる

さらにアメリカでは、”ジェンダーニュートラルトイレ”が多く見受けられます。

古い建物では見つけることは難しいですが、私の通っている大学では必ずジェンダーニュートラルトイレがどの建物にも最低1つはあります。

株式会社LIXILの調査によると、トランスジェンダーの方の、使っているトイレと使いたいトイレの不一致は、シスジェンダーの方と比較して、オフィスでは37.6ポイント、公共施設では26.2ポイントも高い結果が出ています。

トイレ利用は、⼈間の尊厳にも関わる⼈権のひとつでもあるので、すべてのジェンダーを尊重したトイレを設置することは非常に大切でしょう。

日本でも都市部ではすべてのジェンダーの方が利用できるトイレが見られるようになってきました。設置場所等さまざまな問題を抱えてはいますが、その数が日本各地で増えていくといいですね。

3. 心身の多様性への配慮

3.1 バスでは乗客がお手伝いをする場面によく遭遇する

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Jes Farnum/shutterstock.com

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バスに乗っていると、車いすの方の乗降を運転手の方はもちろん、まわりの乗客の方が進んでお手伝いする場面によく遭遇します。

ほかにも、キャンパスをはじめとして町の建物のほとんどの手動ドアの手前に、車いすの方が自分でドアを推さなくてもいいようにドアを開閉できるボタンが付いています。建物に入ろうとする車いすの人がいたら、その人のためにボタンを先に押してあげたり、ドアを開けて待ってあげる人が多いなと感じます。

日本でも、設備などハード面でのバリアフリーは進んできている一方で、バリアを感じている人の身になって考え、行動を起こす「心のバリアフリー」はまだまだなのかなと感じます。

3.2 サービスアニマル・エモーショナルサポートアニマル(ESA)の所有が認められている

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Amy Lutz/shutterstock.com

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身体障害者の方への配慮はもちろんのことですが、目に見えない障害の方への配慮もアメリカにはたくさんあります。

サービスアニマル、つまり盲導犬など物理的に人を支える介助動物はもちろんのこと、エモーショナルサポートアニマル(ESA)という心理的に人を支える動物の所有が認められています。

ESAは、精神科でカウンセリングや診断を経て、ESAが必要だと判断されたひとが所有できます。

普段はペットと同じように扱われますが、公共交通機関などただのペットでは入れないところも、ESAであれば入ることができる場合があるなどの違いがあります。

通っている大学内を例にすると、ESAは大学のキャンパスや食堂には入ることはできませんが、申請をすれば、ひとり1匹まで寮に一緒に住むことができます。

私の日本の大学の寮では、動物を飼うことは一切禁じられていたのでとても新鮮でした。

私自身は、実家で犬を飼っていて大学受験のとき精神的に辛いというときも犬を撫でているだけで気持ちを落ち着かせることができていました。

しかし、進学を機に親元を離れると、はじめての寮生活や授業で忙しい日々で気持ちが沈んでしまうことが多くあり、夜な夜なひとりで泣いてしまうことも。

そんな中、教授の紹介で大型犬を飼っている方からお散歩のお手伝いを頼まれたことで定期的に犬と触れ合うようになったのですが、気持ちが安定していくのを感じました。

こういった背景もあり、アメリカのESAの制度を知ったときは素晴らしいと感銘を受けましたし、率直にうらやましいなと思いました。

その一方で、エモーショナルサポートアニマルをめぐる問題も結構起きているようです。

必ずしもESAを今すぐ日本にも導入する必要はないと思いますが、個人の精神的な安定のために社会がどう変化していくべきなのか考えるきっかけになりました。

4. 「みんな違う」が当たり前の国

アメリカは、みんな違うことが当たり前と認識している人が多いゆえに、自分とは違う状況の人に対する想像力があるんだろうなと感じます。

日本も、国としてユニバーサル社会の実現を目指して、公共交通機関や学校などの設備においてバリアフリーを進めていますが、一番大事なのはひとりひとりの意識でしょう。

さまざまな境遇の人に対して想像力を働かせることで意識や行動が変わってくると思います。

参考資料

LIMO・U23編集部