令和6年度の年金額例が2024年1月19日に厚生労働省より公表され、昨年度に比べて令和6年度の年金額は2.7%の引き上げとなります。

それにより、厚生年金のモデル夫婦は月約23万円となりました。

とはいえ、止まらぬ物価高の中では家計が引き続き厳しいご家庭も多いでしょう。

60歳代までは働く方も多いですが、70歳代となると大半の方がリタイアし、「年金と貯蓄」が生活の柱となる家庭が多いと思います。

今回は令和6年度の年金額例と70歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。

1. 厚生年金モデル「会社員の夫と専業主婦の妻」は月23万円超へ

年金額は毎年度改定されますが、令和6年度の年金額例を見てみましょう。

1.1 令和6年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)

  • 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)※1
  • 厚生年金※2:23万483円(+6001円)

※1:昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円)

※2:平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。

国民年金の満額は6万8000円。

厚生年金のモデル夫婦である「会社員の夫と専業主婦の妻」は月額23万円を超えるかたちとなりました。

ただし、総務省「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の月の支出は平均で26万8508円です。

厚生年金のモデル夫婦であっても、月の家計は3万8025円の赤字となりました。

いまや老後資金の備えとして貯蓄は必須ともいえそうです。