4. 元気なうちに、やり残しがないように
ここまで70歳代世帯の貯蓄額と年金について見てきました。
目安となる2000万円の貯蓄ができている世帯は約42%でした。一方で、貯蓄額が100万円に満たない世帯も14万8896世帯と少なくないことが確認できます。
貯蓄がある世帯とない世帯とを比べると、生活スタイルは大きく異なるでしょう。そして、その生活が長く続く可能性を考えなければいけません。
厚生労働省の「健康寿命の令和元年値について」によると、2019(令和元)年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。一方、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています。
長生きが当たり前の時代になりましたが、「元気よく」長生きできる期間を考えると、充実した70歳代を送ることは非常に大切になってきます。
「お金がないばかりに、人生でやり残したことがある」なんてことがないように、老後の資産形成は現役世代の時から計画的に始めていきましょう。
国も老後の資産形成のために「貯蓄から投資」への動きを推し進めています。NISA制度が拡充されたこの機会にご自身の資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
小西 泰主