地域によって年越しそばに入れる具材が異なることも

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年越しそばの具材の定番と言えば、海老の天ぷら、かまぼこ、刻みネギなどではないでしょうか。日本全国、年越しそばに入れる具材は共通しているかと思いきや、地域によって少々違いがあるようです。

ここでは、年越しそばにトッピングされる各地域の縁起の良い食材をいくつか紹介します。

福井県:大根おろし

福井県では、大根おろしをトッピングした「おろしそば」を年越しそばとして食べる家庭があります。おろしそばは大晦日以外にも、結婚式や仏教の行事などのときにも食べられており、県民にとって身近な存在なのだとか。

出汁に大根おろしを溶かしたり、大根おろしの汁だけを入れたりと、家庭によって大根おろしの入れ方は異なるそうです。東京都中央卸売市場の統計によると、2023年10月時点の大根の価格は1kgあたり135円だったとのこと。

古来より大根は消化に良くお腹にあたりにくいことから、大根おろしは「難にあたらない」という意味を込めた縁起物として好まれてきました。大根おろしを入れるぶん後味もサッパリとしますし、美味しく蕎麦をいただけそうですね。

北海道・京都府(京都市等):ニシン

北海道や京都府では、年越しそばにニシンを乗せることがあります。北海道ではニシン漁が盛んだったこと、京都府では干物に加工した身欠ニシンが貴重なタンパク源であったことから、ニシンをトッピングするようになったのだとか。

ニシンの味付けは北海道と京都府で異なり、北海道は濃口、京都府では薄口醬油と昆布を使用した薄めの味わいである傾向にあります。ニシンは漢字で「二親(にしん)」と表記できることから、子宝を授ける縁起物とされています。

東京都中央卸売市場の統計によると、2023年10月時点のニシンは1kgあたり658円でした。年越しそばにギュッと身が締まったニシンをトッピングすると食べ応えがあり、白米も一緒にいただきたくなるかもしれませんよ。