3. 単純に3000万あれば安心なのか?
老後の生活資金として、3000万円の資産があれば安心できるのでしょうか。
結論としては、個々の世帯状況や他の資産や負債がどのような状況かによって異なります。
その中で、3000万円以上の資産を保有しておく必要があるケースと、反対に3000万円の資産が不要だといえるケースに分けて解説しましょう。
3.1 ケース1:60歳代で住宅を購入
2023年6月30日に住宅金融支援機構が調査した「住宅ローン利用者の実態調査」によると、60歳代でも、ローンを利用して住宅を購入する人がいます。
主な購入理由は、以下の通りです。
- 老後の安心のため、家を持ちたい:37.0%
- もっと質の良い家に住みたい:27.7%
- もっと新しい家に住みたい:14.3%
- 資産として住宅を持ちたい:11.8%
- 親の介護等で住み替えの必要に迫られた:8.4%
購入する物件の価格にもよりますが、住宅ローンは負債なので、手元に3000万円以上の資金は準備しておく必要はあるでしょう。
3.2 貯金はないが企業年金や厚生年金基金があるケース
企業年金に加入していれば、公的年金に上乗せされて老後生活ができるので、貯金は手元になくても生活できるかもしれません。
企業年金には、以下の種類があります。
- 確定給付企業年金
- 厚生年金基金
- 確定拠出年金
それぞれ公的年金に上乗せして給付してもらえる制度もあるので、企業が福利厚生の一環として用意している制度を活用していれば、公的年金とあわせて生活資金を確保できるでしょう。
ただ、不測の事態が起こった時は生活資金とは別にお金が必要なので、3000万円とはいわなくても資産は準備しておく必要はあるでしょう。