「老後2000万円問題」をきっかけに、老後生活への不安が高まっています。加えて、近年はインフレが加速しており、家計の負担も大きくなっているのが実状です。

今回は、65歳以上・無職夫婦世帯の平均的な家計支出や、平均貯蓄額などを見ていきます。

2023年12月25日には最新の年金統計が公表されました。

こちらをもとに老後生活のイメージをつかみ、自分にできることから老後対策を始めていきましょう。

1. 65~69歳「無職・夫婦世帯」の家計収支

総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、「二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯」の家計収支は以下のようになっています。

1.1 【世帯主が65~69歳の無職世帯】

  • 実収入:27万7757円
  • うち社会保障給付:21万423円
  • 非消費支出:4万637円
  • 可処分所得:23万7121円
  • 消費支出:28万10円
  • 収支:ー4万2889円


あくまでも平均値となりますが、世帯主が65~69歳の無職世帯では、毎月の収支が4万2889円の赤字です。

年換算すると51万4668円が不足する計算であり、仮に老後生活が25年間あるとすれば、1300万円ほど不足する可能性があることになります。

とはいえ、老後の家計収支は家庭によって大きく異なるので、「貯蓄が1300万円あれば安心」とは言い切れません。

今後の物価状況などによっては、さらに大きな金額が必要になる可能性もあるでしょう。