岸田総理が掲げる「異次元の少子化対策」。その財源確保策として、高齢者の3割負担の対象を拡大する案が検討されており、賛否両論があるようです。
高齢者の中には所得が少ない、いわゆる「住民税非課税世帯」にあたる方も多くいます。
しかし、なかには「所得は少ないけど貯蓄は潤沢にある」という方もおり、資産状況を見ずに所得だけで対象者を決めるのは不公平だと感じる方も少なくないでしょう。
そこで今回は、高齢者のうち「住民税非課税世帯」にあたる方たちの割合や、住民税非課税世帯の方たちの貯蓄額について見ていきたいと思います。
1. 住民税非課税世帯とは
住民税非課税世帯とは、その名の通り住民税が非課税となる世帯を指します。
住民税には「所得割」と「均等割」の2種類がありますが、一般的には世帯員全員がそのどちらも非課税になる場合に限り、住民税非課税世帯となります。
具体的には、以下のいずれかの条件を満たす世帯となります。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が各自治体が定める基準※より少ない方
※基準額については自治体によって異なります。
1.1 住民税非課税世帯になる条件
住民税非課税世帯となる所得額の目安は自治体により異なります。
東京都23区内の場合は、以下のとおりとされています。
同一生計の配偶者または扶養親族がいる場合
合計所得金額が35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
同一生計の配偶者及び扶養親族がいない場合
合計所得金額が45万円以下(給与所得者であれば、年収100万円以下)
住民税非課税世帯に関する詳細は、お住いの自治体のホームページや窓口でご確認ください。