3. 厚生年金は前年度から8円の増加。国民年金は?

前年度からの推移も確認しましょう。厚生労働省の「令和3年(2021)度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度の年金支給額は次のとおりでした。

3.1 国民年金は前年より減少

〈全体〉平均年金月額:5万6368円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4346円

3.2 厚生年金は前年より微増

〈全体〉平均年金月額:14万3965円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4686円

※国民年金の金額を含む

2022年度にかけて、国民年金では52円の減少、厚生年金は8円の増加となりました。

年金は減少傾向が続いていましたが、2023年度は久しぶりのプラス改定でした。

しかし、相次ぐ物価上昇には追いつけない水準に抑えられているので、実質的には目減りとなります。今後もシニアの年金額には注目が集まります。

4. 国民年金と厚生年金のしくみをおさらい

ここまで国民年金と厚生年金の最新データを見ていきましたが、そもそも両者の違いがあいまいという方もいるでしょう。

ここで一度おさらいをします。

日本の年金制度では、1階部分が日本に住む20歳から60歳までのすべての人が加入する国民年金(老齢基礎年金)になりります。

そして2階部分は、会社員や公務員が上乗せして加入する厚生年金です。

いずれも年金保険料を納めることで、下記の年金を受け取ることができます。

  • 自営業や専業主婦(主夫)など…国民年金(老齢基礎年金)のみ
  • 会社員や公務員など…国民年金(老齢基礎年金)と老齢厚生年金

4.1 国民年金と厚生年金の保険料

国民年金の保険料は一律で、2023年度は月額1万6520円。こちらを40年間全納すれば、満額が受給できる仕組みです。

ちなみに2023年度の国民年金支給額の満額は、月額で6万6250円でした。

一方で厚生年金は、現役時代の賃金に応じて保険料が決まります。納めた保険料と加入期間によって受給額が変わるため、人によって年金額が異なります。

国民年金のように、受給額の満額という概念はありません。

自分自身のこれまでの加入実績は、一度ねんきん定期便やねんきんネットで確認しておきましょう。