1.6 70歳代の貯蓄額

70歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値1905万円、中央値800万円です。

70歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値1433万円、中央値485万円です。

金額ごとの割合をグラフでみてみましょう。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)[二人以上世帯調査]・[単身世帯調査]」をもとに筆者作成

70歳代は、平均値も中央値もどの世代よりも高くなっています。

60歳代で退職金を得て、さらに貯蓄を積み上げている状態といえます。

金額ごとの割合は60歳代とそれほど変わっていません。

金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯は二人以上世帯で18.7%、単身世帯で28.3%となっています。

70歳代が一番貯蓄があるのは、老後不安からくるものでしょう。

年金生活に入り、年金が不足すれば貯蓄を取り崩すことになるので、これ以降は減っていくと考えられます。

2. まとめにかえて

貯蓄額については、平均値はあまり当てにならず、中央値でさえも実態をみるには完全ではありません。

そこで、金額ごとの割合をグラフにして、いくら持っている人が多いのかを一目で分かるようにしてみました。

どの年代でも、二人以上世帯でも単身世帯でも、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)が、一番割合が高くなりました。

年代別の傾向をみてみると、年代が上がるに従って、貯蓄額も増えていきますが、50歳代の単身世帯が一番平均値と中央値の差が開いており、貯蓄がある人とない人の差が顕著となっています。

また、60歳代、70歳代では退職金がもらえるかどうかで貯蓄額に差がついているようです。

あなたの家の貯蓄額はどのあたりになりましたか?

目標を持って、地道にコツコツと増やしていきたいものですね。

参考資料

石倉 博子