2. 給与は横ばいだが国民負担率が上昇している
30年前と平均給与は変わらなくても、「国民負担率」が上昇していると生活が苦しいと感じやすくなります。
国民負担率とは、国民全体の所得に占める税金や社会保険料の負担割合のことです。
国民がどれくらい公的負担をしているかを示すとともに、社会福祉の充実度を測る際にも利用されます。
2.1 30年間の国民負担率の推移(1992年~2022年)
- 1992年 36.3%
- 1993年 36.3%
- 1994年 34.9%
- 1995年 35.7%
- 1996年 35.2%
- 1997年 36.3%
- 1998年 36.2%
- 1999年 35.4%
- 2000年 35.6%
- 2001年 36.5%
- 2002年 35.0%
- 2003年 34.1%
- 2004年 34.5%
- 2005年 36.2%
- 2006年 37.0%
- 2007年 37.9%
- 2008年 39.2%
- 2009年 37.2%
- 2010年 37.2%
- 2011年 38.9%
- 2012年 39.8%
- 2013年 40.1%
- 2014年 42.4%
- 2015年 42.3%
- 2016年 42.7%
- 2017年 43.3%
- 2019年 44.4%
- 2020年 47.9%
- 2021年 48.0%
- 2022年 46.5%
1992年(平成4年)の国民負担率は36.3%だったのに対し、2022年(令和4年)には46.5% にも上昇しています。
つまり、所得の約半分は社会保険料や税金に充てられているということです。
実際に、消費税率は改正を重ねるごとに税率がアップしています。
1989年(令和元年)に創設された際の税率は3%でしたが、1997年(平成9年)からは5%に、2014年(平成26年)からは8%、2019年(令和元年)からは10%が適用されています。
社会保険料も年々料率が上昇しているうえに、2000年(平成12年)からは介護保険料も徴収開始となりました。
ただし、国民負担率が高いということはマイナスなことばかりではなく、必要に応じて給付を受けられるというメリットもあります。
たとえば、医療費の自己負担分の軽減や遺族年金・障害年金の支給などです。しかし、日々の生活費を考えると30年前よりも厳しい状況といえるでしょう。