3. 物価高や国民負担率の上昇に備える方法
物価高や国民負担率の上昇により家計がひっ迫しないよう、家庭でできる対策をご紹介します。
一つひとつは小さなことですが、日々心掛けることで生活費の無駄を省いたり資産を増やしたりできるでしょう。
3.1 家計簿をつけて支出を確認する
節約や貯蓄をする前に、まずは毎月の支出を把握することから始めましょう。いつ何にいくら使ったかをひと目でわかるように、家計簿をつけるのがおすすめです。
そして1か月の支出を、水道光熱費や住居費など毎月発生する「固定費」と、食費や交際費などの毎月の金額が変わる「変動費」に分けます。
毎月必要な金額と調整可能な金額がわかるため、節約ポイントが見えやすくなります。
3.2 固定費の見直しをする
節約は生活費の見直しにおいて大切なことで、特に固定費は毎月必ず支出が発生するものなので定期的な見直しがおすすめです。
見直し後も継続して支出を抑えられるので効率よく節約できます。
たとえば、電気料金とガス料金をセットで契約すると料金が割引になるサービスがあります。支払いもひとつにまとまるので管理しやすいです。
現在加入中の生命保険の保障見直しも節約に役立つことがあります。
以前高額な保険金額の生命保険に加入した場合、子どもの独立後などはそこまで高額な保障額が必要でない可能性があります。現在の必要保障額に見合った内容に変更すると保険料の節約につながるでしょう。
住宅ローン返済中の方は、資金にゆとりのあるときに繰上げ返済を行うのもひとつの方法です。
繰上げ返済をした金額はすべて元金に充当されるので、結果として支払利息を減らす効果が期待できます。
ほかにも、不要なサブスクリプションの解約も効果的です。サブスクリプションとは定期購読・購入という意味で、毎月一定金額の支出が発生しています。現在利用していないものはないか一度確認してみましょう。
3.3 預金や投資などで資産形成をする
家計にゆとりを持たせるために、節約と同時に預金や投資などで資産形成することも考えましょう。
資産形成方法にはいくつかありますが、着手しやすいものとして銀行への預貯金があります。
預貯金は「余ったら預金する」ではなく、毎月一定金額を自動的に積み立てる積立定期預金がおすすめです。口座からの引き落としにしておけば自動的に貯蓄できます。
しかし、低金利の昨今、効率よく資産形成をしたいという方はNISAを活用した投資やiDeCo(個人型確定拠出年金)の利用を検討してみるのも良いでしょう。
いずれも投資商品による資産形成をサポートするための制度なので、さまざまな税制優遇を受けられます。ただし、投資商品であるため運用次第では元本割れリスクなどがあることに注意が必要です。
4. まとめにかえて
日本の平均給与は30年前とほとんど変わっておらず、横ばいという状況です。平均給与は変わらなくても、物価や国民負担率の上昇により生活費は以前よりも苦しい傾向にあります。
こういった状況は簡単に変えることは難しいため、自分で対策をとって生活にゆとりを持たせる工夫が必要です。
家計の支出を見直したり預貯金や投資商品などで貯蓄を増やしたりすることで、厳しい経済情勢に対応できるよう、できることから始めてみましょう。
参考資料
- 総務省「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 財務省「国民負担率(対国民所得比)の推移」
- 国税庁「税の歴史 | 税の学習コーナー」
- 全国健康保険協会「保険料率の変遷 | 協会けんぽ」
木内 菜穂子