生活保護制度とは、資産や能力等すべてを活用しても、なお生活に困窮する方に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助ける制度です。
「最後のセーフティネット」と言われる制度ですから、受けるための条件は厳しく、実際に生活保護を受けた後も福祉事務所のケースワーカーからの指導を受けるなど制約が伴います。
とはいえ、万が一頼れる身内がいない状態で、生活に困窮してしまったときは頼れる制度です。
12月15日は今年最後の年金支給日でしたが、年金だけでは暮らせない高齢者もいます。
収入源が一人だけになる母子家庭も、家計が苦しくなることがあるでしょう。
今回は、生活保護受給者のうち、高齢者や母子世帯が占める割合を確認したあと、生活保護の支援内容について紹介します。
1. 生活保護受給者のうち、高齢者や母子世帯が占める割合は?
厚生労働省が2023年12月6日に公表した「生活保護の被保護者調査(令和5年9月分概数)」によれば、2023(令和5)年9月の調査時点での全国で生活保護を受けている世帯(保護停止中を含まない)は、約164万世帯です。
そのうち、高齢者世帯は半分以上の90万8752世帯(55.3%)を占めています。
さらに詳しく内訳をみると、単身世帯の割合が84万2521世帯(51.3%)、2人以上世帯の割合は6万6231世帯(4.0%)となっており、高齢者世帯のうち約9割が単身世帯という結果となっています。
一方、全国で生活保護を受けている世帯(保護停止中を含まない)に含まれる母子世帯は6万4774世帯で全体のうち3.9%となっており、高齢者世帯と比べて7%ほどにとどまっています。