厚生労働省の最新の「簡易生命表(令和4年)」によると、2022年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳で男女ともに80歳を超え、人生100年時代という言葉がいよいよ現実味を帯びてきました。

しかし高齢者の多くが郊外の一戸建住宅に居住しているといわれていて、そのまま現在の住まいに長く住み続けるのは今後難しくなることが予想されます。

戸建住宅では加齢とともに2階に上がるのがつらくなり、若いときは気にならなかった玄関や部屋と部屋との間の段差でも、つまずいて転倒する恐れがあります。

また洗面脱衣室や浴室での冬場のヒートショックも起こりやすくなるといわれているので、健康被害を考えると何らかのリフォーム、修繕が必要になってくることが予想されます。

特に築20年以上経過した家は、近年の新築住宅と比較して断熱性能が著しく劣っているものがほとんどです。

そこで本記事では、シニアの住宅事情について考えてみたいと思います。

1. シニアの住まいに関する調査結果

株式会社ハルメクホールディングスは2023年7月から12月に55~79歳の男女2000名を対象に「シニアの『住まい』に関する調査」を行いました。

調査では、「死ぬまでずっと今の住まいに住み続けたい」と答えた方が53.0%で半数を超え、年代が高いほど多くなって特に男性で顕著になっています。(75~79歳の男性では72.0%)