「ガクチカや将来設計のためにも留学をしたいけれど、物価高や円安の影響もあって経済的に難しいかな」と思っている方は少なくないと思います。
※ガクチカ……大学で力を入れていたこと。就活でよく聞かれる話題。
しかし、奨学金を利用することで経済的な負担を減らすことができます。今回は、12月から募集を開始した「業務スーパージャパンドリーム財団」の奨学金について紹介します。奨学金の中でも給付額の多いため、要チェックです!
1. 業務スーパージャパンドリーム財団とは
業務スーパージャパンドリーム財団は、以下を目的としている団体です。
“主に海外において芸術やスポーツ分野で活躍できる人材を育成するために勉学の場や自己啓発の機会を提供すること、また日本の文化、とりわけ日本の食文化を海外へ広めることを通じて日本の文化及び芸術の振興に寄与すること(業務スーパージャパンドリーム財団公式ホームページ)”
1.1 奨学金の応募資格
応募資格は、以下の通りです。
- 日本国内の大学に所属している
- 留学開始時点で2年生以上の学部生である
- 日本国籍を有する
ほかにも、一定以上の語学レベルを有することなどはありますが、世帯収入の制限はありません。
1.2 選考フローや給付額
選考過程は、一次選考として書類選考があり、二次選考で面接があります。
給付額は地域によりますが、北米地域の場合に月額20万円で、返済は不要です。
例えば、文部科学省が展開する返済不要の海外留学向け奨学金「トビタテ留学JAPAN」では、北米地域で月額16万円(※家計基準内の場合)のため、かなり高額であることがわかります。
2. 実際に受給している人にインタビュー!
実際に、業務スーパージャパンドリーム財団から奨学金を受給している人に、インタビューをしてみました。
2.1 応募のきっかけは?
奨学金に応募したきっかけは、「貰えるに越したことはないと思ったから」と、「留学を考え始めたときに円安が進すすんでいたから」です。
特に、アメリカは元々物価が高くなっていると聞いていたうえで円安が進んでいったので、経済面での不安が大きかったです。不安要素を小さくしておくために、奨学金を申し込みました。
2.2 実際奨学金があってどうですか?
とても助かっています。日本からの渡航費や海外留学保険の支払い、アメリカでの生活費は奨学金でカバーできています。
2.3 ずばり、今回奨学生に採用されたと思う理由は何ですか?
振り返ってみると書類審査が重要だったと思います。
一次選考の書類審査では語学スコアや、留学先の詳細と選択した理由、留学先で学びたいことや経験したいこと、将来のことを記入し、最後にA4サイズ2枚以内で自己PRを作成する必要がありました。
自己PRの部分では、業務スーパージャパンドリーム財団が留学を支援する目的が、「日本文化を海外に伝える人材を育成すること」だったため、それに即した内容を書くことが重要だと思います。
私は、「書道や茶道など日本文化に精通していること」と、「発信力・行動力があること」の2つを意識して、自分の過去の経験をアピールしました。
自分の今までの経験や表現の仕方が、審査員の方々にポテンシャルがあると思っていただけたのかもしれません。
あくまでも個人の意見ですが、二次審査の面接は選抜というよりも確認作業に近い雰囲気を感じました。よほど挙動が不振だったり支離滅裂なことを言ったりしない限りは、落とされない印象を受けました。
ちなみに、私が受けた時の面接は、10人のアメリカに留学予定の学生と2人の面接官がいて、質問に対して手を挙げて意見をしていく形式でした。積極性をアピールする機会だと思い、どんどん手を挙げることを意識しました。
2.4 奨学金を獲得するためにやっておいたほうがいいことは?
とりあえずできるだけ多くの奨学金に申請することです。
併給はできない場合が多い一方で、併願はできることが多いです。奨学金を貰える可能性を少しでも広げるために、できるだけたくさんの奨学金に応募するといいと思います。
給付型奨学金は競争率が高く、思うように受給に至れません。
3. 日本学生支援機構でも留学の給付型奨学金制度がある
「トビタテ留学JAPAN」ほど広く知られていない印象がありますが、日本学生支援機構でも、海外留学支援制度として旧福型奨学金の枠を設けています。高校卒業後に海外大学での学部学位取得を目指す学生(条件有)が対象です。
- 奨学金:月額5万9000円~11万8000円
- 授業料:年額300万円を上限とする実費額
- 支援期間:原則4年
- 採用人数:78名(2023年度実績)
奨学金に加えて授業料を負担してくれることから、留学への一歩の踏み出しやすさは格段に上がるでしょう。
例年募集要項は9月頃に公表されるということなので、留学に興味がある人はチェックしてみるといいかもしれませんね。
4. 奨学金を申し込むときの注意
筆者や友人の失敗談をもとに、奨学金を申し込むときの注意点を押さえておきます。
4.1 勉学に励む
日頃から学業を頑張っておくことも、応募先によっては重要です。
世帯収入などの制限がなかったり返済が必要なかったりする奨学金の場合に、そうではない奨学金と比べて、求められる大学の成績や言語レベルが高くなります。
私自身は、成績も留学先であるアメリカの母語・英語の語学レベルもある程度はありました。しかし、もっと頑張っていれば応募できる奨学金の幅が広がり、書類審査が通りやすくなったのではないかと思います。
そのため、大学の成績を上げておくこと、留学先言語の認定試験を受けておくことを心がけましょう。
4.2 時間に余裕を持つ
当たり前ですが、締め切りに対して余裕を持って応募書類などを書きましょう。
筆者は申し込みのタイミングで、学業やアルバイト、そのほか課外活動でとても忙しく、奨学金の応募書類に割ける時間が足りず、奨学金のチャンスを逃してしまいました。
世帯収入などの関係で申し込めない奨学金が多い中、こういった基本的に誰でも応募ができる奨学金を逃してしまうのはかなり悔しかったです。
また、多くの奨学金では、教員などからの推薦状が必要です。教員や職員の人は忙しいことが多く、断られるケースもあります。応募要項を確認して、早めの依頼を心がけましょう。
4.3 個人申し込みなのか大学一括申し込みなのかを確認する
奨学金によって、個人が直接財団に応募するパターンと、大学が学内の応募書類をまとめて一括して財団に応募するパターンがあります。
個人申し込みでよくある手続き方法
前者の場合は、書類提出の方法がオンラインなのか、郵送なのかを確認しておきましょう。郵送の場合は、書類の大きさに合わせた封筒や切手を用意する必要があります。書留で出すために、郵便局に行かなければならない場合もあります。
また、ポストに投函してからの日数の計算が必要です。
大学一括申し込みでよくある手続き方法
後者の場合は大学内で選考を行う場合もあります。財団の応募要項に書いてある締め切りとは別で、大学側で書類の締め切りがある可能性もあります。
大学によっては別途必要な書類を要求される場合もあります。大学からの案内をよく読みましょう。
5. 日本人学生の留学数、コロナ前は10万人越え
日本学生支援機構の調査によると、2019年には日本人学生10万人以上が留学をしていたようです。
2020年はコロナ禍で100分の1程度に落ち込みましたが、アフターコロナの現在においては、留学熱は再燃しているのではないでしょうか。
実際、筆者の友人も多くの人が短期、長期問わずに留学へ行っています。
一方で、昨今の世界的な物価高や為替相場の円安の影響により、日本人が海外留学する資金的なハードルはコロナ前と比べて圧倒的に高くなりました。
留学希望の学生が増えたところに資金難が重なっているため、奨学金の需要は相当高いと考えられます。
6. 経済状況だけで留学をあきらめないで
奨学金に受かるかどうかわからなくても、応募書類のために留学の目的や目標、さらにその先の人生について考えることは、留学経験を最大限に活かすために大切です。
留学生活では、今まで持っていた常識がどんどん覆されていき、価値観がぶつかり合うことで、自分の価値観がいったいなんなのか見えてきます。こういった経験を通じて自己分析ができるため、就職活動にも役立っています。
ほかにもさまざまな奨学金があるため、海外留学を考えている方は大学の担当窓口に相談に行ったりして探してみてくださいね。






