厚生労働省が2023年11月28日に公表した「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、2023年に「平均賃金を引き上げた、または引き上げる」と回答した企業は89.1%で、2年連続の増加となりました。
1人あたりの平均賃金は3.2%引き上がり、月額では9437円の引き上げとなっています。
そんな中、働き盛りの40歳の平均年収と貯蓄はいくらなのでしょうか。
今回は、40歳代の平均年収と貯蓄について解説します。
まだまだバリバリ働き盛りの年代ではありますが、老後対策についても考えていきたいと思います。
1. 40歳代の平均年収と貯蓄額
40歳代は、責任のある立場で仕事をする機会も多く、比例して収入も高くなっている年代です。
一方で、結婚や子育て、住宅ローンの返済など、家計でも支出が多くなる年代といえるでしょう。
まずは、40歳代の平均年収と貯蓄額についてそれぞれ解説します。
1.1 平均年収
国税庁が2023年9月に発表した「民間給与実態統計調査」によると、40歳代の平均年収は、以下の結果となりました。
- 40~44歳:男性602万円 女性335万円
- 45~49歳:男性643万円 女性346万円
男性と女性で平均年収に差がありますが、男性は600万円台、女性は300万円台が平均年収でした。
日本人の平均年収が458万円なので、男性の平均年収は高い結果となっています。
1.2 平均貯蓄
金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳代のうち二人以上世帯での平均貯蓄額は825万円でした。
保有額別に見ると、以下の通りになります。
- 金融資産非保有 :26.1%
- 100万円未満 :11.1%
- 100~200万円未満 :7.2%
- 200~300万円未満 :5.4%
- 300~400万円未満 :5.5%
- 400~500万円未満 :4.2%
- 500~700万円未満 :7.9%
- 700~1000万円未満 :7.3%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:3.8%
- 2000~3000万円未満:5.2%
- 3000万円以上 :4.9%
「100万円未満」と回答した割合が最も多くなりました。
次いで、「500~700万円未満」「1000~1500万円未満」が続きます。
また、金融資産を保有している40歳代の世帯に限ると、平均貯蓄額は1132万円でした。
同じ40歳代でも、貯蓄ができている世帯とできていない世帯に分かれているようです。
子育てや住宅購入で、将来的な資産を準備するよりも、足元の生活を支えるのに精一杯になっている人もいるでしょう。
そのため、まだ老後の貯蓄まで準備できていない人もいます。
しかし、老後に向けた準備や対策は早くから始めたほうがいいでしょう。
老後に向けた準備をしておく必要性が高まっている理由について解説します。
2. 40歳から老後対策は遅い?
老後の資産形成が必要な理由は、以下の3点が挙げられます。
- インフレが進むかもしれない
- 国民負担率がさらに高まるかもしれない
- 公的年金将来的に目減りする可能性がある
インフレによって物価が上昇していると、家計の圧迫や、保有している資産価値が目減りしてしまいます。
2023年3月31日に東京海上アセットマネジメント株式会社が調査した「インフレ実感と投資行動に関する調査」によると、インフレによって家計を圧迫していると感じている人は、74%でした。
将来的な家計の圧迫を緩和させるためにも、前もって先々の生活資金を用意しておく必要はあるといえます。
次に、老後資金を準備しておく必要がある理由は「国民負担率」です。
国民負担率は、所得のうち税金や社会保険料を負担する割合を意味します。
2023年度の国民負担率は、見通しで46.8%と所得の約半分が税金や社会保険料となりました。
今後も税金や社会保険料の負担が増えることが予想されます。
老後に向けて貯蓄を準備しておかないと、税金や社会保険料によって生活が圧迫されてしまう可能性があるでしょう。
最後に、公的年金の受給額が少なくなる可能性も考慮する必要があります。
公的年金は、現役世代の負担で制度が維持されていますが、少子化の影響で、今後の制度維持が困難になるとされています。
そのため、年金受給額が将来的に目減りする可能性もあります。
そのため、自分たちで資産形成をする必要性がより高まりました。
以上から、老後に向けた資産を自助努力して増やす必要性は高まっています。
40歳代よりも早くから準備をするに越したことはありません。
とはいえ、東京海上アセットマネジメント株式会社が調査した「インフレ実感と投資行動に関する調査」では、インフレ対策のために「どのような対策が必要かわからない」と回答した割合が73%と、どのような対策を取るべきか分からない人もいるようです。
では、40歳代までにどのような準備をしておくと良いか確認しましょう。
3. 老後対策で有効な準備3つ
老後対策に向けて準備しておきたい項目は、以下の3つです。
- NISA
- iDeCo
- 固定費の削減
NISAは、中長期の資産運用の手段として利用しやすい制度です。
老後の資産形成だけでなく、住宅ローンの繰り上げ返済資金にも活用できます。
iDeCoは、老後の資産形成として準備しやすいでしょう。
また、固定費の削減を実施して支出をできるだけ減らせるように対策をしておくことも大切です。
住宅ローンや保険の見直しをして、毎月の固定費を削減できないか確認しましょう。
4. まとめにかえて
40歳代でも、貯蓄ができている世帯とできていない世帯に分かれています。
NISAやiDeCoといった資産を増やす努力だけでなく、生活費や固定費の見直しで資産を減らさない努力も必要になるでしょう。
参考資料
- 国税庁「民間給与実態統計調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」
- 東京海上アセットマネジメント株式会社「インフレ実感と投資行動に関する調査」
- 財務省「令和5年度の国民負担率を公表します」
- 厚生労働省「令和5年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表します」
川辺 拓也