3. 新電力の災害・倒産時はどうなる?
新電力が安くなったとしても、価格だけでは決められないこともあります。皆さんが不安になるのは、新電力が倒産した場合や災害がおきた時の復旧についてではないでしょうか。
3.1 新電力による災害時の対応
基本的に新電力といっても自社で発電や送電をおこなっているわけではないので、新電力だからといって災害時に特別な問題が起きるわけではありません。
もし、災害や停電がおこった場合、その復旧対応は各地域を管轄している送配電部門の役目です。
またインフラのインフラに関する保守管理は、東京電力などの旧一般電気事業者が担っています。
つまり新電力だからといって災害に弱い、復旧が遅いといった心配はありません。
3.2 新電力による倒産時の対応
2021~2022年は新電力の倒産と撤退が相次いだことは記憶に新しいでしょう。急激なエネルギー需要の高まりと資源価格の高騰、ウクライナ情勢などさまざまな要因が絡まって起きたことです。
こうした状況を目の当たりにすると、倒産した場合どうなるのか不安になるものです。しかし、契約をしている新電力が万が一倒産をしたとしても、電気が使えなくなる心配はありません。
電気小売事業者が何らかの理由で電力の供給ができなくなった場合、電気の最終保障供給約款にもとづいて電力の供給を受けられることになっています。ですから、契約をしている新電力が倒産・撤退しても電気が使えなくなると焦る必要はありません。
参考資料
- 経済産業省資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化の概要」(2015年11月)
- 経済産業省エネルギー庁「電力システム改革について」
- 経済産業省「規制料金値上げ申請等の概要について」
- 経済産業省電力・ガス取引監視等委員会「電力小売全面自由化に関する消費者向けのFAQについて」
青木 絵莉華