介護費用を軽減できる公的制度も活用する
介護費用は状況によって高額な費用が必要になるケースもあるため、介護費用の支払い負担を軽減できる公的制度も活用しましょう。
たとえば、「居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費) 」は、住宅を介護用に改修した際に20万円を上限として補助を受けられます。
「高額介護サービス費」は、1カ月に支払った介護サービスの自己負担の合計が限度額を超えた場合に、超えた分が還付される制度です。限度額は、利用者の所得により異なります。
また、「高額医療・高額介護合算療養費制度」は、1年間の公的医療保険と公的介護保険の自己負担額を合算した金額が、所得に応じた一定金額を超えた場合に還付を受けられるものです。
こういった公的制度による補助も活用して介護費用の負担軽減に役立てましょう。
まとめにかえて
おひとりさまで生きることを決めた方にとって、貯蓄額や老後の生活費などに関する悩みはつきないものです。実際に40歳代おひとりさまで貯蓄ゼロの方は35.8%となっており、早めに老後の生活費の準備を始める必要があるでしょう。
現在のおひとりさまの老後生活は、毎月赤字になる方も多く、介護費用などのまとまったお金が発生する可能性もあるためゆとりを持たせて準備しておくことが望ましいです。
着実に貯蓄を進める一方で、活用できる公的制度に関する知識も得ておきましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
木内 菜穂子