高齢世帯の方が住民税非課税世帯の割合が高い
前述の総務省統計局調査によると、住民税非課税世帯の割合は、全年齢の平均が24.2%であるのに対し、65歳以上の世帯では35.0%と10%以上も高い状況です。
30歳代から50歳代の住民税非課税世帯の割合が10%前後であるのと比較すると、その差はさらに大きくなります。
原則65歳から老齢年金を受け取れるようになりますが、定年退職などで収入がなくなったり再雇用で減収になったりするため、総収入が減ってしまうことが原因です。
60歳代より70歳代の方が住民税非課税世帯の割合が高い
高齢になると住民税非課税世帯の割合は高くなりますが、次の【図表1】の通り年代ごとにその割合は大きく異なります。
60歳代では5世帯のうち1世帯が住民税非課税世帯に該当するのに対し、70歳代になると3世帯に1世帯が該当するようになります。
高齢者の中でも年代別に大きな差がある理由は、高齢者の就業率が高まっていることです。
60歳定年が一般的で年金支給開始年齢が60歳であった時代は、60歳になると現役引退する人が数多くいましたが、現在では60歳代の就業は当たり前になっています。
総務省の「統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者」によると、2021年の高齢者(65歳以上)の就業率は25.1%で、年代別に見ると【図表2】の通りです。
70歳以上になると就業率は大きく下がりますが、60歳代後半でも約半数の人が仕事をして年金以外の収入を得ていることがわかります。
そのため、60歳代と70歳代では住民税非課税世帯の割合が大きく異なります。