住民税非課税世帯に対し、7万円の給付が決定しました。
住民税非課税世帯には医療費の負担軽減措置などがあるため、定年などで収入が減ってくると自分が該当するかどうかが気になる人もいるでしょう。
本記事では、住民税非課税世帯は60歳代と70歳代ではどちらが多いのかについて解説します。
住民税非課税世帯に対する支援制度についても紹介しますので、老後の働き方や家計を考えるときの参考にしてください。
住民税非課税世帯の割合
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総務省統計局の「令和4年国民生活基礎調査」によると、日本国内の住民税非課税世帯は全世帯の24.2%です。
同調査を基に、年齢別の住民税非課税世帯の割合を見ていきましょう。
高齢世帯の方が住民税非課税世帯の割合が高い
前述の総務省統計局調査によると、住民税非課税世帯の割合は、全年齢の平均が24.2%であるのに対し、65歳以上の世帯では35.0%と10%以上も高い状況です。
30歳代から50歳代の住民税非課税世帯の割合が10%前後であるのと比較すると、その差はさらに大きくなります。
原則65歳から老齢年金を受け取れるようになりますが、定年退職などで収入がなくなったり再雇用で減収になったりするため、総収入が減ってしまうことが原因です。
60歳代より70歳代の方が住民税非課税世帯の割合が高い
高齢になると住民税非課税世帯の割合は高くなりますが、次の【図表1】の通り年代ごとにその割合は大きく異なります。
60歳代では5世帯のうち1世帯が住民税非課税世帯に該当するのに対し、70歳代になると3世帯に1世帯が該当するようになります。
高齢者の中でも年代別に大きな差がある理由は、高齢者の就業率が高まっていることです。
60歳定年が一般的で年金支給開始年齢が60歳であった時代は、60歳になると現役引退する人が数多くいましたが、現在では60歳代の就業は当たり前になっています。
総務省の「統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者」によると、2021年の高齢者(65歳以上)の就業率は25.1%で、年代別に見ると【図表2】の通りです。
70歳以上になると就業率は大きく下がりますが、60歳代後半でも約半数の人が仕事をして年金以外の収入を得ていることがわかります。
そのため、60歳代と70歳代では住民税非課税世帯の割合が大きく異なります。
住民税非課税世帯に対する支援制度
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住民税非課税世帯に対する支援は教育費の支援や国民年金保険料の免除などもありますが、高齢世帯にとって助かるのは、医療に関する支援制度です。
主な支援制度を紹介します。
国民健康保険料の軽減
国民健康保険料の計算方法は地方自治体によって異なりますが、保険料は所得に応じた「所得割額」と世帯人数などに応じた「均等割額」の合計となります。
住民税非課税世帯などで前年の所得が一定以下の場合、均等割額が減額されます。
世帯全員の所得合計が一定金額以下だと、均等割額が最大7割減額されます。
東京都杉並区の場合は【図表3】の通りです。
年金生活する夫婦2人世帯で夫の年金が125万円以上、妻が125万円未満の場合は被保険者数が2名、所得者数が1名として計算します。
このケースでは、世帯全体の所得合計が43万円以下ならば、国民健康保険料の均等割額は7割減額されます。
医療費の負担軽減
医療費の自己負担割合は原則3割ですが、70歳以上になると住民税非課税世帯の自己負担割合は次の通り軽減されます。
- 70~74歳:2割負担
- 75歳以上:1割負担
また、高額療養費制度の自己負担限度額にも優遇措置があります。
高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費合計が高額となった場合、自己負担限度額を超える分が還付される制度です。
住民税非課税世帯の自己負担限度額は【図表4】の通りです。
住民税非課税世帯は年齢で割合が異なる
住民税非課税世帯の割合は、60歳代が19.2%、70歳代が34.9%で15%以上も差があります。
高齢者の就業率が高まり60歳代でも多くの人が仕事を続けるようになったからです。
住民税非課税世帯に対する支援制度はいろいろありますが、高齢者にとって影響が大きいのは、国民健康保険料の減額措置や医療費の負担軽減です。
住民税非課税世帯に対する支援制度を理解した上で、今後の働き方や家計について考えてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査・表番号147」
- 杉並区「均等割額の軽減判定(7減・5減・2減)」
- 厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」
- 総務省「統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者」
西岡 秀泰