2023年11月21日に公表された厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果確報」によると、一般労働者の現金給与総額は平均で36万1736円でした。

とはいえ、実際には産業や勤続年数、年齢等によって給与事情はさまざまです。

あまり他人のお金事情を知る機会はないでしょう。

貯蓄についても同様で、自分が平均以上なのか平均以下なのか、あまりわからないという方も多いのではないでしょうか。

なかでも、世代による影響は少なくありません。

今回は団塊の世代が含まれる70歳代と、団塊ジュニア世代が含まれる50歳代の平均貯蓄額について解説します。

年代別の貯蓄額平均

団塊の世代が含まれる70歳代と団塊ジュニア世代が含まれる50歳代で、貯蓄額がどう異なるか確認しましょう。

70歳代の平均貯蓄額

金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯における70歳以上の貯蓄額は、平均で「1433万円」となりました。

2人以上の世帯では「1905万円」が平均貯蓄額となっています。

貯蓄のない割合を見ると、2人以上の世帯で「18.7%」、単身世帯だと「28.3%」となりました。

70歳代の平均貯蓄額は2000万円に届いておらず、およそ4人か5人に1人の割合で貯蓄のない世帯となっています。

では、50歳代の貯蓄額を確認してみましょう。

50歳代の平均貯蓄額

50歳代の平均貯蓄額は、2人以上の世帯で1253万円でした。

単身世帯だと、1048万円となっています。

金融資産を保有していない割合は、2人以上の世帯で「24.4%」、単身世帯で「39.6%」でした。

50歳代で貯蓄がない人は、およそ4人に1人の割合でいるといえます。

単身世帯に限っては、約4割が貯蓄のない世帯なので、老後資金の準備は意識して取り組む必要があるといえるでしょう。

では、各年代のライフプランで意識しておくべきポイントを解説します。

各年代のライフプランで意識すべきポイント

老後に向けて資産を増やす準備も必要ですが、その前に各年代ではどのようなリスクやライフイベントが待ち受けているかを把握することが重要です。

70歳代や50歳代が意識しておくべきポイントやリスクについて確認しましょう。

70歳代で意識すべきポイントやリスク

70歳代は、老後を生活する資金をはじめ、病気やケガによる不測の事態に備えた資金も別で用意しておく必要があります。

また、不要な負債を抱えて子どもや孫へ負債が残らないように、住宅ローンをはじめとした負債が残らないように整理しておきましょう。

負債を残さない取り組みと同じく、子どもや孫へ資産を贈与して、相続させる準備も検討する必要があります。

自分の生活面だけでなく、残された子どもや世帯へどのような相続をすれば良いかも、しっかり考えておきましょう。

50歳代で意識すべきポイントやリスク

50歳代は、先々の生活資金を確保する準備が必要ですが、70歳代と同じく病気やケガによる治療費や収入の補てんといった準備が必要になります。

目の前のリスクと、介護や老後といった先々のリスクを同時に対策する必要があるので、優先順位を決めて取り組みましょう。

50歳代が70歳代までに準備すべきこと

50歳代が70歳代までに対策しておきたい内容について解説します。

特に対策しておきたいのは「支出」と「資産運用」「公的年金の対策」です。

それぞれ確認していきましょう。

1. 支出の対策

70歳代の生活に向けて、50歳代は家計の支出をどれだけ減らせるか見直しておきましょう。

総務省が2023年2月7日に公表した「家計調査(家計収支編)」では、70歳代と50歳代の平均消費支出は、以下の通りです。

  • 70歳代:24万1596円
  • 50歳代:36万2164円

携帯電話の料金やサブスク費用、保険料といった毎月の固定費を削減できないかチェックしてください。

2. 資産運用

老後の資金を確保するために、50歳代といっても資産運用は有効な手段のひとつです。

約20年にわたって資産運用を続けられれば、70歳代以降に活用する資金として準備できます。

50歳代で資産運用を始める場合は、NISAを実施しましょう。

2024年から新たなNISAに拡充して、非課税で運用できる期間が無期限となるので、70歳代以降の資産として準備しやすくなりました。

以上から、70歳代以降に資産を確保できるように、新しいNISAを活用してみるのもひとつでしょう。

とはいえ、リスクがゼロというわけではありません。あくまでも余裕資金を準備でき、リスク許容度の把握ができていることが大切です。

3. 公的年金の対策

公的年金の受給額を繰下げて、将来的に受け取る年金額を増やせないか検討しましょう。

年金の繰下げ受給は、1カ月ごとに0.7%ずつ年金受給額が増加します。

70歳まで年金の受給時期を繰下げて、年金額を増やせないか検討してください。

それぞれの年代で必要な対策を実施しましょう

70歳代と50歳代の平均貯蓄額は、2人以上の世帯で約650万円、単身世帯では約400万円の差があります。

70歳代で生活資金がしっかりと確保できるように、支出の見直しや新NISAをはじめとする資産形成を実施しましょう。

今後のライフプランを見据えながら、最適な方法で老後に向けた対策を始めてください。

参考資料

川辺 拓也