65歳以上の夫婦のみの無職世帯での家計収支
仮に、老後生活が25年間あるとすれば、2万2270円×12カ月×25年間=668万1000円が不足する計算です。
平均値だけ見れば「2000万円も必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、家庭によっては公的年金などの老後収入が少ないケースもあるでしょうし、さらなるインフレによって支出が増えるケースなどもあるでしょう。
また、長寿化によって25年以上長生きする可能性も十分に考えられるため、老後資金が「○○万円あれば安心」と断言することはできません。
老後生活に必要な資金は人それぞれ。自分に合った老後対策を
今回解説したように、70歳代で2000万円以上の貯蓄を有する世帯は4割を超えています。
70歳代の貯蓄事情を受けて、「老後までに2000万円以上を準備できるのか?」と不安になった方もいるのではないでしょうか。
しかし、老後に必要となる資金は家庭によって異なるので、必ずしも2000万円を用意する必要はありません。
まずは、自身の年金受給額(見込み)や家計収支などを細かく把握し、老後生活でいくら不足する可能性があるのかを考えてみましょう。
家庭の状況に合わせて、「家計の見直し」「節約」「資産運用」などの老後対策を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(平成30年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(令和4年)」
加藤 聖人