老後2000万円問題が取り沙汰され、老後生活に対して危機感を抱いた方も多いのではないでしょうか。
さらに、昨今の世界的なインフレにより、家計支出が増加している点も懸念材料です。
帝国データバンクが行った調査によれば、2023年11月の食品値上げは131品目となっており、2022年以降では最少とのことですが、まだまだ油断はできません。
そのような状況の中、現在老後生活を過ごしている70歳代の方々は、どのくらいの金額を貯蓄できているのでしょうか。
今回は、70歳代における貯蓄事情について見ていきましょう。
70歳代「貯蓄2000万円以上」の割合は約41.8%
総務省統計局の「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、2022年における70歳代の貯蓄現在高階級に応じた世帯数は以下の通りです。
- 総数:187万4554世帯
- 100万円未満:14万8896世帯
- 100万円~:6万4999世帯
- 200万円~:6万426世帯
- 300万円~:6万9205世帯
- 400万円~:6万2104世帯
- 500万円~:7万670世帯
- 600万円~:5万2589世帯
- 700万円~:4万9056世帯
- 800万円~:6万433世帯
- 900万円~:4万6408世帯
- 1000万円~:10万9329世帯
- 1200万円~:8万5755世帯
- 1400万円~:6万9842世帯
- 1600万円~:8万2145世帯
- 1800万円~:5万9305世帯
- 2000万円~:15万265世帯
- 2500万円~:12万1065世帯
- 3000万円~:17万7308世帯
- 4000万円~:33万4754世帯
2022年の統計データでは、2000万円以上の貯蓄を有する世帯は78万3392世帯あり、全体の約41.8%を占めています。
70歳代「貯蓄2000万円以上」の割合は増えている
「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、2017年以降、70歳代以上の平均貯蓄額は以下のように推移しています。
- 2017年:2385万円
- 2018年:2249万円
- 2019年:2253万円
- 2020年:2259万円
- 2021年:2318万円
- 2022年:2411万円
2022年における70歳代以上の平均貯蓄額は2411万円となっており、2018年から4年連続で増加していることがわかります。
では、過去6年間で最も平均値が低かった2018年の統計データを見てみましょう。
総務省の統計は65歳以上のデータとなっているため、ここでは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(平成30年)のデータを参考にします。
同データによると、2000万円以上の貯蓄を有する世帯は全体の約27.9%となっています。
2022年の同データは約28.3%でしたから、70歳代以上で「貯蓄2000万円以上」を有する世帯の割合は若干増えていることがわかります。
老後資金はいくら必要?
70歳代以上の平均貯蓄額は2411万円であり、2000万円以上を有する世帯が4割以上あることもわかりました。
では、老後資金は2000万円あれば足りるのでしょうか。
「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」を見ると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月平均2万2270円が不足するとされています。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯での家計収支
仮に、老後生活が25年間あるとすれば、2万2270円×12カ月×25年間=668万1000円が不足する計算です。
平均値だけ見れば「2000万円も必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、家庭によっては公的年金などの老後収入が少ないケースもあるでしょうし、さらなるインフレによって支出が増えるケースなどもあるでしょう。
また、長寿化によって25年以上長生きする可能性も十分に考えられるため、老後資金が「○○万円あれば安心」と断言することはできません。
老後生活に必要な資金は人それぞれ。自分に合った老後対策を
今回解説したように、70歳代で2000万円以上の貯蓄を有する世帯は4割を超えています。
70歳代の貯蓄事情を受けて、「老後までに2000万円以上を準備できるのか?」と不安になった方もいるのではないでしょうか。
しかし、老後に必要となる資金は家庭によって異なるので、必ずしも2000万円を用意する必要はありません。
まずは、自身の年金受給額(見込み)や家計収支などを細かく把握し、老後生活でいくら不足する可能性があるのかを考えてみましょう。
家庭の状況に合わせて、「家計の見直し」「節約」「資産運用」などの老後対策を検討してみてはいかがでしょうか。

