ライフプラン・キャリアプランの見直しを行う
まずは、自身のライフプラン・キャリアプランの見直しを行いましょう。
具体的には下記のような内容の見直しができると良いです。
- 住宅ローンを何歳までに払い終えるか
- 何歳まで働くか
- 老後の生活費はいくらを想定しているか
上記を明確に決めておくことで、老後までの資金計画が立てやすくなるため、早い段階から上記のライフプラン・キャリアプランの見直しをしておきましょう。
将来受け取れる公的年金を確認する
次に自分が将来受け取れる「公的年金」を確認しておきましょう。
公的年金には「厚生年金」と「国民年金」の2種類が存在しており、受け取れる年金のタイプによって受給額が大きく異なります。
参考までに、厚生労働省年金局の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金・国民年金それぞれの平均月額は下記のようになっています。
- 厚生年金:14万3965円
- 国民年金:5万6368円
上記はあくまで平均であるため、より明確な自身の年金額がしりたい場合は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで確認しておくことをおすすめします。
厚生年金は、現役時代の「報酬額」と「加入期間」によって受給額が決まるため、「加入期間が長く収入が高い」ほど将来受け取れる厚生年金の受給額がアップしやすくなります。
また、国民年金の場合は、定額保険料に上乗せして納付が可能で、上乗せ分は年金受給額がアップするため、あわせて検討してみると良いでしょう。
貯蓄や私的年金などで老後に備える
老後の生活費がいくらになるか想定したうえで、自身の公的年金を確認し、年金だけでは生活費が赤字となる場合は、その分の資金を今から貯蓄しておきましょう。
老後資金には、NISAやiDeCoなど国が主導している「税制優遇制度」を活用し資産運用をすることで、さらに資金を増やしていくことも可能です。
NISAは、2024年から「新NISA」が導入されるため、現行よりも年間投資額が大幅に増額され、非課税で保有できる期間が無期限となり、長期的な資産運用がしやすくなります。
iDeCoの場合は、現役時代に控除の対象となるため、老後の備えをしつつ税金対策ができるのは大きなメリットといえます。
NISA・iDeCoともに少額からでも開始しやすい制度であるため、老後の備えとして今のうちから制度を利用しておけると良いでしょう。
安心した老後生活を送るために今できることを
本記事では、60歳代の平均貯蓄額と貯蓄割合について紹介していきました。
「老後は年金で悠々自適な生活をする」と考えている人もいるかもしれませんが、実際のところは年金だけでは生活費が赤字となるケースのほうが多いです。
60歳代のリアルな貯蓄実態をみると、十分に貯蓄ができている人とできていない人で「貯蓄格差」が生じていることから、安心した老後生活を送るために今できる備えをしておくことが大切になります。
本記事を参考に、老後破産を防ぐ備えを今のうちからしておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年就労条件総合調査結果の概況」
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査結果の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ報告書 高齢社会における資産形成・管理」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
太田 彩子