3.2 受け取れる年金額を増やす
厚生年金の受給額は「加入期間」と「報酬額」によって決まるため、加入期間が長く収入が高いほど、将来受け取れる厚生年金の受給額がアップしやすくなります。
女性の厚生年金の平均月額は約10万円ですが、厚生年金保険の加入期間を長くしたり、収入アップをしたりすれば、受け取れる年金額が増える可能性があります。
また、国民年金の場合は、定額保険料に上乗せして納付することが可能で、上乗せをした場合は年金受給額が増加するため、厚生年金アップとあわせて検討してみると良いでしょう。
3.3 NISAを活用して老後資産を増やす
貯蓄以外にも、NISAといった国が主導している「税制優遇制度」などで資産運用をして、老後資産をさらに増やしていくのも老後の備えとして大切です。
特に2024年から新たに始まる「新NISA」は、現行のNISAよりも年間投資額が大幅に増額され、非課税で保有できる期間が無期限となることから、より長期的な資産運用がしやすくなります。
非課税での保有期間が無期限であることから、老後も非課税で運用しつつ、少しずつ資産を取り崩すことができるのも、新NISAの大きな魅力といえます。
3.4 私的年金を利用する
現在の日本の公的年金だけでは老後の生活費をまかなえる可能性が低いことから、iDeCoや個人年金保険といった「私的年金」も、現役時代に加入を検討しておけると良いです。
こういったiDeCoや個人年金保険は、税金面でも控除の対象となるため、老後の備えをしつつ税金対策ができるのも嬉しいポイントです。
留意点として、iDeCo・個人年金保険はともに一度契約をしてしまうと一定期間内は引き出すことが出来ません。
途中解約した場合は元本割れのリスクがあるため、自分に合う・合わないを検討したうえで検討できると良いでしょう。
4. 今から始められる老後の備えをしておこう
本記事では、おひとりさま女性が将来受け取れる公的年金の平均月額について詳しく紹介していきました。
おひとりさま女性が、老後に受け取れる平均月額は、厚生年金で「10万4686円」、国民年金で「5万4346円」となっており、年金だけで生活していくにはやや心もとない金額といえます。
現役時代に年収アップをしたり貯蓄をしたりすることが、老後の年金受給額の増加や老後の安心材料になり得るため、今から始められる老後の備えとして、まずは「老後の収入と支出をシミュレーション」から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」
- 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融庁「新しいNISA」
太田 彩子