11月11日は「介護の日」。介護について考えるきっかけになる1日ですね。

親の介護施設への入所を考え始めたとき、介護保険施設を選択肢として検討する方も多いでしょう。

公的な介護施設である介護保険施設は、所得によって軽減措置を受けられるので、比較的低コストで利用できるのが魅力です。

介護保険施設には、特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院の3つがありますが、それぞれの施設で入所条件や、利用目的、受けられるサービスなどの違いがあります。

今回は、この3つの介護保険施設の違いと選び方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください!

【特養・老健・医療介護院】3つの介護保険施設の違いは?

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出所:LIMO編集部作成

出所:LIMO編集部作成

特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院、3つの介護保険施設の違いを項目ごとに比較して確認しましょう。

違いその1「入所条件」

  • 特別養護老人ホーム:原則、要介護3以上
  • 介護老人保健施設:要介護1以上
  • 介護医療院:要介護1以上

介護老人保健施設と介護医療院は、要介護1から入所可能です。特別養護老人ホームは、原則として、介護度の重い要介護3〜5の方を対象としています。(特例で認められた場合のみ要介護1・2も入所可能)

違いその2「利用目的」

  • 特別養護老人ホーム:介護を受けながら生活を送る施設
  • 介護老人保健施設:リハビリを行い、在宅復帰を目指す施設
  • 介護医療院:長期療養と生活支援を目的とした施設

特別養護老人ホームは「生活施設」、介護老人保健施設は「リハビリ施設」、介護医療院は「長期療養の機能と生活施設の機能をあわせ持つ施設」と、各施設で利用目的が大きく異なります。

違いその3「受けられるサービス」

  • 特別養護老人ホーム:日常生活に必要な介護、レクリエーション、機能訓練
  • 介護老人保健施設:日常生活に必要な介護、医療ケア、手厚いリハビリテーション
  • 介護医療院:充実した医療ケア、日常生活に必要な介護、レクリエーション

介護老人保健施設と介護医療院は、医療ケアが必要な方の入所が可能です。とくに介護医療院では、ほかの施設では対応が難しい医療ニーズの高い方を受け入れています。 

違いその4「入居期間」

  • 特別養護老人ホーム:終身で利用可能
  • 介護老人保健施設:入所期間が限定されている(原則3カ月)
  • 介護医療院:終身で利用可能

特別養護老人ホームと介護医療院は、終身にわたって利用できるため、多くの施設で看取りケアまで対応しています。

一方で、介護老人保健施設は、在宅復帰を目指す施設であるため、入所期間は原則3カ月と限定的。長期利用ができる特養と介護医療院とは役割が異なります。

違いその5「職員配置」

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koumaru/shutterstock.com

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  • 特別養護老人ホーム:医師(必要数、非常勤可)、入所者と看護・介護職員の割合(3対1)介護職員が多い
  • 介護老人保健施設:医師(常勤)、入所者と看護・介護職員の割合(3:1以上、そのうち看護職員は2/7程度)、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
  • 介護医療院(Ⅰ型):入所者と医師の割合(48:1)、看護職員(6:1)、介護職員(5:1)、薬剤師(150:1) 

特別養護老人ホームは、介護を受けながら生活を送る施設のため、介護職員が多く配置されています。

一方で、医療ケアに対応する介護老人保健施設と介護医療院は、医師や看護師、リハビリ専門職など医療職の配置が手厚いのが特徴です。

違いその6「費用」

  • 特別養護老人ホーム:5〜15万円 
  • 介護老人保健施設:8〜14万円
  • 介護医療院:9〜17万円

3施設とも、入居一時金はかかりません。月額費用として「施設サービス費(1〜3割の自己負担)+居住費+食費+日常生活費」が必要です。介護医療院は医療ケア体制が充実しているので、その分高めの費用設定となっています。

違いその7「入所難易度」

  • 特別養護老人ホーム: 入所希望者が多く、入所待機期間が長い
  • 介護老人保健施設:入所待機期間は比較的短い
  • 介護医療院:施設数が少ない。希望の地域に施設がないことも

【ケース別に紹介】ウチの親に最適な介護保険施設はどれ?

ここからは、特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院、各施設に向いている人を、ケース別に整理してみましょう。

【ケース1】長期的な入所を希望し、医療ケアをしっかりと受けたい方

→【医療介護院】が最適

医療ニーズが高く、長期的な入所を希望する方は、介護と医療の両方のサービスが受けられる介護医療院が向いています。夜間のかく痰吸引や経管栄養の管理が必要など、ほかの施設では対応が難しい方でも入所可能です。

【ケース2】要介護度3以上だが、重度の医療ケアを必要としない方

→【特別養護老人ホーム(特養)】が最適

要介護3以上で、重度の医療ケアを必要としない方は、特別養護老人ホームが適しています。

特別養護老人ホームは、介護スタッフの配置が手厚く、24時間体制で介護が受けられるのが特徴です。

看護師も配置されていますが、24時間の配置は義務づけられていないため、不在の時間帯は医療ケアが受けられないことも。医療ケア体制の整っていない特養では、医療ニーズの高い方の入所を断る場合があります。

【ケース3】退院後、すぐに自宅に戻ることが難しい方

→【介護老人保健施設(老健)】が最適

病気やケガで入院し、病状は安定したけどすぐに自宅へ戻ることに不安がある方や、退院後、専門的なリハビリを受けてから自宅へ戻りたい方は、介護老人保健施設が向いています。

在宅復帰に力を入れている施設のため、長期的な利用はできず、原則3カ月で退所となります。

介護保険で入れる施設「ウチの親に最適なのはどこ?」3/3

介護保険で入れる施設「ウチの親に最適なのはどこ?」

出所:LIMO編集部作成

 

心身状態や希望に合わせて「最適な介護施設」を選ぼう

介護保険施設への入所を検討する際には、それぞれの施設の特徴を理解して、入所する方の心身状態や希望に合わせて最適な施設を選びましょう。

なお、介護保険施設への入所に関する相談は、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーが相談窓口です。

入院中の方は、病院の医療ソーシャルワーカーにご相談ください。

参考資料

  • 厚生労働省「特別養護老人ホーム」
  • 厚生労働省「介護老人保健施設」
  • 厚生労働省「介護医療院公式サイト」

中谷 ミホ