退職金は減少傾向にある

先ほどの調査結果から、「退職金を1900万円も受け取れるなら老後は大丈夫そうだ」と感じた人もいるかもしれませんが、今後自分が退職する際に同程度の退職金を受け取れるとは限りません。

厚生労働省の同調査では、5年ごとに退職金に関する調査が行われています。

ここで、過去の調査から大卒者の退職金平均額の推移を確認してみましょう。

出所:厚生労働省「就労条件総合調査」の過去調査を参考に筆者作成

2008年は2280万円だった退職金が2023年には1896万円となっており、この15年で約380万円も減少していることが分かります。

老後資金の計画を立てる際は、退職金が減少傾向にあることもしっかり念頭に置いておきましょう。

退職金の運用で気をつけたい3つのポイント

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退職金を受け取ったら、資産運用で利回りを得るのもひとつの方法です。

しかし、退職金の運用には、その資金の性質上気をつけたいポイントがあります。

くわしく確認していきましょう。

1. リスクを取りすぎない

金融商品には多くの種類があり、リスクの高い商品もあれば、低リスクの商品もあるなどさまざまです。

退職金のようにまとまった資金を手にすると、「この資金を元手に大きく増やしたい」という気持ちが生まれるかもしれませんが、退職金はハイリスクの運用には不向きです。

もしハイリスクな運用によって大きな損失が生じてしまうと、老後の暮らしぶりにも大きな影響を与えかねません。

退職金での運用は「大きく増やすこと」を目的とするのではなく、「守りながら増やすこと」を重視するようにしましょう。