3. 年金支給日には「ひとりで30万円」の年金を受け取る人も?
前述の資料より、厚生年金の金額「22万4482円」に注目しましょう。
これは、モデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金)とされています。
もう少し深掘りすると、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準とのことです。
「標準的な夫婦の年金22万4482円」の内訳は、夫婦の老齢基礎年金(満額)と夫の厚生年金ということなので、ここから厚生年金部分のみを算出してみましょう。
- 22万4482円ー(6万6250円×2人分)=9万1892円
厚生年金部分のみとなると、約9万円であるといえます。
老齢基礎年金と合わせると、一人分の年金額は「15万8232円」になります。
そして年金支給日は年に6回しかないことにも注目します。すると、1回の年金支給時には「2カ月分の年金」が振り込まれることがわかりますね。
つまり、平均的な収入を稼いでいた人は、次の年金支給日にもらえる年金が「31万6464円」であることがわかります。
「30万円の年金」と聞くと高額に思えますが、これが2カ月分であるとわかると、印象が大きく変わったのではないでしょうか。
4. 年金「月額15万円」は目指せるラインなのか
ではここで少し視点を変えて、「年金月額15万円」は目指しやすいラインなのかを検証してみたいと思います。
2023年度のモデルケースでは、約15万円が年金月額になるとのことでした。
実際には、どれくらいの人が月額15万円の年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省の資料から確認してみましょう。
執筆者
日本大学国際関係学部卒業後、東洋証券株式会社に入社。国内外株式、債券、投資信託、保険商品の販売を通じ、主に個人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事する。特に中国株・投資信託の提案を得意とし、自身でも幅広く投資を行ってきたため、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。現在は個人向け資産運用のサポート業務を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有(2023年11月27日更新)。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)