3.2 「前納」の場合は保険料の重複に気を付ける

国民年金保険料は、一定期間の保険料をまとめて納付する「前納」制度があり、下表のように割引が適用されるため節約に役立ちます。

しかし、子どもが就職して厚生年金に加入すると国民年金保険料を含めた厚生年金保険料を納付することになり、保険料を重複して納付することになってしまいます。

重複が判明した時点で、日本年金機構から「国民年金保険料還付請求書」が送付されるので、必要事項を記入のうえ提出すると還付を受けることができます。

しかし、還付を受けられる権利は2年で時効を迎えるため、すみやかに手続きをとる必要があります。

4. まとめにかえて

子どもが20歳になると国民年金保険料の納付が始まりますが、学生などの場合本人が支払うことが難しいときは親が代わりに納付する方法があります。

年額20万円弱の納付が必要になりますが、支払った金額は全額所得控除の対象になるため節税効果が期待できます。

ただし、年末調整や確定申告の際に所得控除を受けるには「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」の提出が必要なので、送付されたものは大切に保管しましょう。

また、前納で納付した場合、保険料の重複が発生することもあるため、「国民年金保険料還付請求書」が送付された際には時効にかからないようすみやかに提出しましょう。

参考資料

木内 菜穂子