子どもが20歳になると国民年金保険料の納付がスタートします。国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の方はすべて加入することになっており、学生であっても20歳になれば保険料を納付しなければなりません。
しかし、学生のうちは保険料の納付まで余裕がないことが多く、親が代わりに支払うケースもあるでしょう。親にとっては負担増となりますが、一方で節税効果が期待できるというメリットもあります。
子どもの国民年金を代わりに納付するとどのくらい節税できるのか、またどのような点に気を付ければ良いのか解説していきます。
1. 子どもの国民年金を払うと節税効果がある
親が子どもの国民年金保険料を納付した分は、年末調整や確定申告の際に「社会保険料控除」として全額が所得控除の対象になります。所得控除を受けることで、所得税や住民税の支払い負担を軽減することが可能となるのです。
所得控除できる国民年金保険料は自分の分はもちろんのこと、生計を一にしている配偶者や家族の分も対象です。
そのため、一人暮らしをしている子どもでも、学費を出したり生活費を仕送りしていたりする場合は「生計を一にしている」と認められ、控除を受けることができます。
社会保険料控除の対象になるのは、その年に実際に納付した金額の全額です。仮に、過去2年分の国民年金保険料を今年まとめて支払った場合、本年中に納付したものは全額が本年の控除対象になります。
子どもの国民年金保険料を親が代わりに納付すると、贈与税がかからないか不安になる方もいるでしょう。
原則として、その年の1月1日から12月31日までの1年間に基礎控除額110万円を超える贈与があると、超えた分について贈与税がかかります。
しかし、国民年金保険料は贈与には該当しないという解釈が一般的です。というのも、「親などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるため受けた財産で通常必要と認められるもの」は贈与税の課税対象外とされているためです。