2026年を迎えて早くも2カ月が経とうとしていますが、物価の高騰は引き続き家計を苦しめています。
水道光熱費や食料品の価格上昇に加え、社会保険料や子育て費用などの負担が重くのしかかり、お金のやりくりに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
今回は、住民税非課税世帯が受けられる公的支援を5つご紹介します。
社会保険料の負担軽減や子育て世帯向けの支援策などを解説していくので、ぜひ本記事を参考に家計の負担を少しでも軽減させましょう。
1. 住民税非課税世帯が受けられる公的支援5選!
住民税非課税世帯が受けられる優遇措置にはさまざまなものがありますが、今回は以下の5つの公的支援をご紹介します。
- 国民健康保険料の減額
- 介護保険料の減額
- 国民年金保険料の免除・納付猶予
- 0歳〜2歳までの保育料の無償化
- 高等教育の修学支援制度
それぞれの内容をチェックしていきましょう。
1.1 ①:国民健康保険料(応益割)の減額
法令により定められた所得基準を下回る世帯では、国民健康保険料の被保険者応益割が減額となります。
減額割合は以下の通りです。
- 7割減額:43万円以下
- 5割減額:43万円(※)+(被保険者数)×29万円以下
- 2割減額:43万円(※)+(被保険者数)×53.5万円以下
※世帯の給与・年金所得者が2人以上の場合は「43万円+10万円×(給与・年金所得者の数-1)」
減額割合は所得に応じて段階的に設けられています。
夫の給与のみで生活する40歳の夫婦(子供1人)の場合、給与収入が98万円以下で7割減額、197万円以下で5割減額、302万円以下で2割減額になります。
1.2 ②:介護保険料の減額
65歳以上の介護保険第1号被保険者で住民税が非課税の方は、介護保険料の減額が適用されます。
減額される金額は自治体によって異なりますが、多くの自治体では所得に応じて段階的に減額されています。
詳しくはお住まいの市区町村のホームページをチェックしたり、介護保険の担当窓口に問い合わせて確認したりすると良いでしょう。
1.3 ③:国民年金保険料の免除・納付猶予
前年の所得が一定額以下の場合や失業した場合など、保険料を納めることが経済的に難しいときは国民年金保険料の免除または納付猶予が受けられます。
免除・納付猶予となる所得の基準は、前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であることです。
- 全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
- 4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 納付猶予:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
保険料の免除は本人・世帯主・配偶者の所得、納付猶予は本人・配偶者の所得が基準を下回った場合に適用されます。
保険料の支払いを負担に感じている方は、市区町村の国民年金窓口または年金事務所で免除・納付猶予の相談をしてみましょう。
1.4 ④:0歳〜2歳の保育料の無償化
現在、幼稚園や保育所、認定こども園等を利用する3歳〜5歳までのすべての子どもたちの保育料が無償化されています。
そして住民税非課税世帯を対象に、0歳〜2歳までの子どもたちも保育料が無償化されています。
そのため、住民税非課税世帯では0歳〜5歳まで保育料がかかりません。
1.5 ⑤:高等教育の修学支援新制度
住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生を対象に、高等教育の修学支援新制度が設けられています。
本制度では、以下の2つの支援によって大学や専門学校での学びをサポートします。
- 授業料・入学金の免除/減額
- 給付型奨学金の支給
住民税非課税世帯で私立大学に自宅以外から通う場合、給付型奨学金は年間約91万円、授業料は年間約70万円(上限)、入学金は年間約26万円(上限)の支援を受けられます。
大学・専門学校への進学を考えている子どもがいる世帯の方は、本制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
2. 住民税非課税世帯とは?
住民税は、所得にかかわらず定額を負担する「均等割」と所得に応じて負担する「所得割」で構成されています。
均等割・所得割が両方とも課税されない世帯のことを「住民税非課税世帯」と呼びます。
しかし、公的支援制度のなかには「所得割のみが非課税」の世帯が対象となっているケースもあるため、制度の対象者をよくチェックしておくと良いでしょう。
2.1 住民税が非課税になる3つの要件
以下のいずれかの要件に該当する場合、住民税が非課税になります。
- 生活保護を受けている
- 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)で前年の合計所得金額が135万円以下
- 前年の合計所得金額が自治体の基準を下回る
ただし、3つ目の要件については自治体によって基準額が異なります。
基準額を満たすかどうかを知りたい方は、自治体のホームページまたは担当窓口で確認してみてください。
3. 公的支援を受ける際の注意点《意外な盲点も》
ここまで、住民税非課税世帯が受けられる公的支援を紹介してきましたが、支援制度を利用する際は以下の2点に注意が必要です。
- 住民税非課税は前年の所得で決まる
- 国民年金保険料の免除・納付猶予は受給額が減る
それぞれ把握しておきましょう。
3.1 住民税非課税は前年の所得で決まる
- 住民税が非課税になるかどうかは、原則として前年の所得で決まります。
- 失業等で今年から所得が急に下がった場合、住民税が非課税になるのは来年です。
- 公的支援の対象とならない可能性があるため注意が必要です。
ただし、国民健康保険料の減額や国民年金保険料の免除・納付猶予など、失業等のやむを得ない事情があれば制度を適用できるケースもあります。
3.2 国民年金保険料の免除・納付猶予は受給額が減る
本記事でご紹介した国民年金保険料の免除・納付猶予は、全額納付した場合と比べて年金の受給額が減少します。
免除・納付猶予された期間の年金の減少額は以下の通りです。
- 全額免除:保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1(平成21年3月分までは3分の1)
- 4分の3免除:保険料を全額納付した場合の年金額の8分の5(平成21年3月分までは2分の1)
- 半額免除:保険料を全額納付した場合の年金額の8分の6(平成21年3月分までは3分の2)
- 4分の1免除:保険料を全額納付した場合の年金額の8分の7(平成21年3月分までは6分の5)
- 納付猶予:年金を受け取るために必要な「受給資格期間」にはカウントされるが、年金額には反映されない
しかし、未納のままにしておくと将来年金を受け取れない可能性があります。
年金受給額が減るとしても免除・納付猶予の手続きはしておくことが大切です。
なお、10年以内であれば追納(後から納付)して受給額を満額に近づけることができます。
4. 公的支援を上手く活用しましょう
本記事では、住民税非課税世帯を対象とした公的支援をご紹介しました。
社会保険料の負担軽減や子育て世帯向けの支援策など、家計の負担を軽減できるものが多く用意されています。
物価高騰の時代を乗り切るためにも、用意されている制度を上手く味方につけることが大切です。
また、今年に入って急激に所得が下がった人は住民税非課税にはなりませんが、そういった方を対象とした支援制度も提供されています。
生活に困っている方は自治体の担当窓口に相談し、利用できる制度がないかを確かめてみると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
- こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」
- 文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」
- 総務省「個人住民税」
丸山 大輝