お墓の購入は、一生に一度あるかないかの特別な買い物です。一方、少子化が進むいま「墓守り」の引き受け手は確実に減っていきます。
すでに家族のお墓を守っている人、そしてこれから新しくお墓を建てる人。ともに「墓じまい」までも含めた先々までを想定する必要がある世帯は少数派ではないでしょう。
今回は、お墓購入や墓じまいに関する意識調査の結果などを交えながら、イマドキのお墓事情を深掘りしていきます。
お墓の購入時に重視したポイントは?
2023年10月31日、全国石製品協同組合(全石協)が、お墓に関するアンケート調査を公表しました。
お墓に関するアンケート調査概要
- 調査対象:全国でお墓を購入している人・ 40才代以上・男女
- 調査期間:2023年9月1日~2023年9月30日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効サンプル数:227名
お墓を購入時に重視したこと、トップは「利便性」
- 利便性:144件(63.4%)
- 環境:129件(56.8%)
- 価格:112件(49.3%)
- 遺骨埋蔵形態:47件(20.7%)
- 経営主体:78件(34.4%)
- その他:16件(7.0%)
同調査では「お墓を購入する際に重要視したこと」として、63.4%が「利便性」と回答。次に「環境(56.8%)」「価格(49.3%)」「経営主体(34.4%)」がランクインしています。
「価格」がトップではないのですね。ちょっと意外に感じた人もいるでしょう。
ちなみに「利便性」「環境」の回答をより具体的に見てみると、「家族の住む場所から行きやすい立地であること」「実家の近くのお墓」や「子供たちが住んでいる場所の近く」といった、お墓参りのしやすさが基準となっていることが分かります。
トータルなコストパフォーマンスを考えたとき、交通費や移動時間を含め、お墓へのアクセスの良さは重要なポイントと言えるでしょう。
また「価格」に関して多く挙がった回答のひとつが「管理費がかからないこと」。子どもや孫など、その先々の維持費までを見据えた選択をする人が多いことがうかがえます。