皆さんは何歳までお仕事を続けようとお考えでしょうか。一般的には60歳で定年を迎え、再雇用制度で65歳まで働くと考えられている方が多いかもしれません。

今の20歳代~30歳代となると、定年が70歳まで延長されている可能性も考えられます。定年を考えた時に出てくるのが、いつから年金を受け取るのかということ。

現行の制度では原則65歳から老齢年金の受給が開始されますが、「繰下げ受給」や「繰上げ受給」によって受給開始の前倒し・後ろ倒しを選択できるようになっています。

では実際に繰下げ受給や繰上げ受給をすると、どうなるのでしょうか。

今回は繰下げ・繰上げ受給について詳しく見ていきましょう。

1. 年金の「繰下げ受給」とは?

繰下げ受給とは、年金の支給開始を遅らせることによって、繰り下げた期間に応じて受給額を引き上げる制度。

繰下げ受給することで、1ヶ月あたり0.7%増額されます。

繰下げ受給は1ヶ月単位で可能。66歳以後、最大75歳まで繰下げできます。

年金額は、75歳まで繰下げると84%まで増額されます。つまり、本来10万円の支給額であれば、18万4000円まで増えることになります。

繰下げ受給は厚生年金と国民年金でそれぞれ選択することができますので、厚生年金のみ繰下げることや、国民年金のみ繰下げることも可能です。

ただし、特別支給の老齢厚生年金には「繰り下げ」の制度がないので、注意が必要です。