2. 「厚生年金と国民年金」繰上げ・繰下げ受給を選択する割合は?

年金を加算する「繰下げ受給」とは反対に、65歳より前に受給して年金額を減額する制度を「繰上げ受給」といいます。

では、今ご紹介した年金の「繰上げ受給」、「繰下げ受給」を選択する人はどれくらいいるのでしょうか。

厚生労働省から発表された統計にて、調査結果を見ていきましょう。

2.1 国民年金では「繰り上げ」減、「繰り下げ」増

【国民年金の繰上げ・繰下げ受給状況の推移】

繰上げ受給率は年々低下している一方、繰下げ受給は少しずつ増加しています。
長生きする未来に備え、年金額が減ってしまう「繰上げ受給」ではなく「繰下げ受給」を選択している人が増加しているという傾向がわかりました。 

【国民年金の繰上げ・繰下げした場合の受給額】

国民年金の繰上げ・繰下げした場合の受給額は上記のように推移しています。

令和3年のデータでは、繰上げした場合、本来の受給額よりも約月1万4000円低く、繰下げした場合、約月1万8000円多くなっているとわかりました。

繰下げ受給できる期限が最大75歳までに引きあげられたことで、受給額の差は今後大きくなっていくでしょう。