止まらない物価高のなかで、老後生活に不安を感じる人も多いかもしれません。

では、老後生活を支える「年金」はいくらもらえるのでしょうか。

本記事では、年金を年間180万円もらう人はどれくらいいるのか、厚生労働省が公表した最新のデータを基に解説します。

2025年の年金支給日も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 年金を年間180万円もらう人の割合

ではさっそく、年金を年間180万円(月間15万円)受け取る人がどれくらいいるのか確認しましょう。

厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。

※以下の厚生年金月額には国民年金(基礎年金)を含む

【写真全3枚中1枚目】厚生年金:年金月額階級ごとの受給権者数、2枚目では、平均年収ごとの目安年金受給額をご紹介

厚生年金:年金月額階級ごとの受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

1.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)

年金受給額 割合

  • 月額1万円未満 0.28%
  • 月額1万円以上2万円未満 0.09%
  • 月額2万円以上3万円未満 0.31%
  • 月額3万円以上4万円未満 0.58%
  • 月額4万円以上5万円未満 0.61%
  • 月額5万円以上6万円未満 0.85%
  • 月額6万円以上7万円未満 2.34%
  • 月額7万円以上8万円未満 3.97%
  • 月額8万円以上9万円未満 5.44%
  • 月額9万円以上10万円未満 6.73%
  • 月額10万円以上11万円未満 7.01%
  • 月額11万円以上12万円未満 6.57%
  • 月額12万円以上13万円未満 5.97%
  • 月額13万円以上14万円未満 5.75%
  • 月額14万円以上15万円未満 5.89%
  • 月額15万円以上16万円未満 6.14%
  • 月額16万円以上17万円未満 6.39%
  • 月額17万円以上18万円未満 6.56%
  • 月額18万円以上19万円未満 6.37%
  • 月額19万円以上20万円未満 5.84%
  • 月額20万円以上21万円未満 4.99%
  • 月額21万円以上22万円未満 3.90%
  • 月額22万円以上23万円未満 2.72%
  • 月額23万円以上24万円未満 1.78%
  • 月額24万円以上25万円未満 1.18%
  • 月額25万円以上26万円未満 0.75%
  • 月額26万円以上27万円未満 0.45%
  • 月額27万円以上28万円未満 0.25%
  • 月額28万円以上29万円未満 0.13%
  • 月額29万円以上30万円未満 0.06%
  • 月額30万円以上 0.09%

平均年金月額 14万3973円

*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている

会社員や公務員として勤務経験がある厚生年金受給者のうち、年間180万円(月額15万円)以上の年金をもらえる人の割合は47.6%です。

厚生年金受給者の約半分が年間180万円の年金を受け取れます。夫婦ともに年間180万円の年金を受給する場合、合計年金額は年間360万円となるため、年金だけで生活できる世帯もいるでしょう。

ただし、紹介した受給額は会社員や公務員として現役時代に勤務経験がある厚生年金受給者がもらえる年金額です。

会社員や公務員経験がない自営業者と専業主婦(夫)は、国民年金のみしか受け取れません。2024年度の国民年金は、満額で年間81万6000円(月額6万8000円)です。

そのため、自営業者夫婦や片働き夫婦が、年金だけで暮らすのは難しいかもしれません。