2. ガソリン等の価格を抑える補助金は悪手

諸物価の中でも特に庶民の生活を直撃しているのはガソリン等の燃料油価格ということで、政府は燃料油元売り会社に補助金を出し、ガソリン等の小売価格を抑えるように要請しています。

しかし、これは悪手だと筆者は考えています。

ガソリン等の価格が上がらなければ、ガソリン等の消費量が減らないからです。

ガソリン等の消費量が減らなければ、巨額の資金が産油国等に流れ続けることになります。税金を使ってガソリン等の消費量を維持し、投入した税金がそのまま産油国等に流れるのです。

原油価格の値上がりについて「地球環境」の面から考えてみましょう。

世界的な原油消費量が抑制されれば、二酸化炭素の排出量の抑制に繋がり、環境面での効果もあります。しかし「ガソリン補助金」などの登場で、ガソリン等の消費量が減らなければ、こうした環境面での効果の一部が打ち消されてしまうことになるのです。

さらに言えば、原油価格を維持する力としても働きかねません。

補助金を出さなければ日本の原油輸入量が減り(世界全体に占める日本のシェアが小さいので影響は大きくないとは言え)原油価格を押し下げる力が働くかもしれないのに、それを阻害してしまうのです。