「何歳まで働く予定にしていますか?」
これは、「老後資金を貯めたい」と相談に来られた方に必ず筆者がする質問です。
少し前までは「60歳や65歳かな」と答える人が多かったですが、最近は「70歳まで」と答える人が少しずつ増えてきたように感じます。
公的年金の繰り下げ受給も昨年4月から75歳までの後ろ倒しが可能となるなど、一昔前であれば「老後」と呼ばれた年齢まで働く方が多くなっている印象です。
さて、実際にいま老後生活を送っている70歳代の貯蓄額や年金額はどれくらいなのでしょうか。
今回は特に「おひとりさま」に絞って確認していきたいと思います。
また、就業率や平均給与についても触れていきます。
1. 70歳代「おひとりさま」世帯は増加傾向!女性の割合が高め
内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、65歳以上人口に占める65歳以上の一人暮らしの割合は増加傾向にあることがわかりました。
1.1 「おひとりさま」の割合
◆65歳以上人口に占める65歳以上の一人暮らしの者の割合◆
65歳以上人口に占める65歳以上の一人暮らしの者の割合は、1980年以降年々増加の一途を辿っています。
- 【1980年】男性4.3%・女性11.2%
- 【2020年】男性15.0%・女性 22.1%
- 【2040年 推計】男性20.8%・女性24.5%
男女別に見ると、女性の方が多いようですね。
高齢者になると死別によっていずれ「おひとりさま」となりますが、過去からずっと高齢女性の一人暮らしの割合が高いのは平均寿命が関係していると考えられます。
厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、2022年時点における平均寿命は男性81.05年、女性87.09年と女性の方が男性より6年長いことが分かりました。
当然ながら個人差はありますが、こうした背景もあり女性のおひとりさまシニアの割合が高い傾向にあるようです。
また、近年は生涯未婚率も上昇しており総じて「おひとりさま」は増えています。
今後、おひとりさまで老後を迎える人が増えていけば、ますます高齢者のおひとりさまの割合は高まるでしょう。