住友商事と双日はどちらも大手総合商社の一角です。
2023年の年初来の株価は、3月に金融セクター不安が波及する形で一時的に株価が下落した以外は、両社とも総じて上昇傾向となっています。
住友商事・双日の2022年末以降の株価の推移(終値ベース:円)2022年12月30日~2023年9月15日
今回は住友商事と双日の株価や業績などについてみていきましょう。
1. 住友商事と双日ともに2022年度は過去最高益を更新
株価上昇の背景の一つとして、両社とも2022年度に過去最高益を記録したことがあると考えられます。
住友商事が純利益で5652億円と前年度の4800億円から増益、双日が1112億円で前年度823億円からの増益を達成しています。
価格の上昇や好調な取引環境を背景に、金属や資源分野で好調だったことが両社の業績拡大要因の1つとなりました。
住友商事は資源ビジネスが+490億円の増益寄与に。双日も、金属・資源・リサイクル分野が前期の341億円から627億円へ増益となっています。
なお、住友商事については非資源ビジネスも+560億円の増益となっていることから、バランス良く利益を獲得している様子がうかがえます。
2. 株価は資源価格や為替が追い風となり上昇トレンドが継続か
年度決算発表後は、一時為替が円高に振れた影響もあり株価上昇の勢いが弱まったと考えられますが、本格的な調整とはならず夏場以降再び上昇基調となっています。
このタイミングでは為替や資源価格の動向が追い風になったと思われます。グローバルに莫大な取引を行う両社にとって、円安は重要な利益拡大要因の一つです。
さらに、資源関連の取引が多いことから資源価格の動向も重要でしょう。
米ドル円為替と原油価格の推移2023年4月30日~2023年9月15日
商社は資源を開発する役割の方が大きいため、基本的に資源価格の上昇は業績の拡大要因の一つとなります。
夏場以降は、原油価格などの高騰が商社にとって追い風要因となったと考えられるでしょう。
3. 住友商事と双日のリスク要因
双日株式会社「2023年3月期有価証券報告書」や住友商事株式会社「事業等のリスク」にはさまざまなリスク要因がまとめられています。そのなかで株価への影響が大きいリスク要因としては、次のようなものがあります。
- 市況変動のリスク
- 投資や取引におけるリスク
- 気候変動リスク
総合商社は、グローバルに資源開発や貿易をおこなって利益を獲得するビジネスです。そのため、市況動向が両社の業績や見通しに大きな影響を及ぼします。
2023年は9月時点で見ると、為替や資源価格の動向が両社の株価の上昇圧力となっていますが、もし市況が反転すれば、今度は株価の下落要因となるリスクがあります。
また、総合商社は莫大な金額で事業投資を行っています。もし、各社の戦略や意図に反して投資や取引が失敗した場合には、巨額の損失をもたらし、株価急落を引き起こす可能性があります。
たとえば、2014年には住友商事は米国のエネルギー開発プロジェクトで約2000億円の巨額な減損を引き起こしています。
事業投資の規模が大きい分、一つの取引の失敗が株価や業績に大きなダメージをもたらす可能性は考えられます。
さまざまな資源の取引を扱う総合商社は、特に二酸化炭素排出をもたらすビジネスが複数あります。
規制強化による事業の制限や規制対応のためのコスト増大が業績悪化につながるリスクも、相対的に大きいといえるでしょう。
4. 【配当金】両社ともコロナ禍後は増配傾向
住友商事・双日とも、コロナ禍では配当額が減少しましたがその後は増加傾向です。
まず住友商事は年間で2022年度は115円、2023年度は120円予想となっています。
双日は2023年3月期130円、2024年3月期130円予定となっています。
なお、両社とも株主優待は実施しておらず、配当や自社株買いなどによる株主還元を優先する方針です。

