年金を受け取っている方の中には、10月初めに「年金振込通知書」が届いた方もいるでしょう。

年金振込通知書は原則として毎年6月に送付されるものですが、年金支払額などに変更があった方には、その都度送付される決まりになっています。

10月からは年金額が変更になることがあり、対象者に年金振込通知書が送付されます。

では、なぜ10月に金額の変更が行われるのでしょうか。

また、送付される年金振込通知書にはどのようなことが書いてあるのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。

1. 10月に「年金振込通知書」が届く人

厚生年金や国民年金からは、一定の条件を満たしている場合に介護保険料などの保険料や住民税などの税金が天引き(特別徴収といいます)されます。

10月からそれらの特別徴収金額が変更となることがあり、年金の振込額も変更されるため、対象者に年金振込通知書が送付されるのです。

年金から特別徴収されている介護保険料や国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、住民税などは、お住まいの市区町村が決定しており、市区町村からの依頼により年金からの特別徴収が行われています。

金額が決定する時期は、自治体によりますが6月から7月頃になるところが多く、実際に特別徴収に反映されるのが10月支給分からになります。

また、年金支給開始年度の方の場合、当初は普通徴収といって口座振替や金融機関などの窓口で納付しますが、10月から特別徴収に切り替わるのです。

このような事情から、10月から特別徴収金額が変更になり、それに伴い年金の振込額(手取り額)も変更されます。

2. 年金から特別徴収されるもの

年金から特別徴収されるものに、介護保険料・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・住民税・所得税があります。

これらはすべての方が特別徴収されるわけではなく、一定の要件を満たした方が対象になります。

2.1 【介護保険料】

介護保険料の特別徴収は、老齢年金や退職年金、障害年金、遺族年金(以下「老齢年金等」とします)を受給している65歳以上の方のうち、年間の年金受給額が18万円以上の方が対象です。

2.2 【国民健康保険料】

国民健康保険料の特別徴収は、老齢年金等を受給中の65歳以上75歳未満の方((後期高齢者医療保険制度の該当者を除く)のうち、年間の年金受給額が18万円以上の方です。

ただし、介護保険料と国民健康保険料の合計額が、各支払期の年金額の2分の1を超える場合は、国民健康保険料は特別徴収されません。

2.3 【後期高齢者医療保険料】

後期高齢者医療保険料の特別徴収は、老齢年金等を受給している75歳以上の方もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療保険制度に該当する方のうち、年間の年金受給額が18万円以上の方が対象です。

介護保険料と後期高齢者医療保険料の合計額が、各支払期の年金額の2分の1を超える場合は、国民健康保険料と同様に後期高齢者医療保険料も特別徴収されません。

2.4 【住民税】

住民税の特別徴収は、老齢年金もしくは退職年金を受給している65歳以上の方のうち、年間の年金受給額が18万円以上の方が対象です。障害年金や遺族年金は対象外です。

2.5 【所得税】

所得税の特別徴収は、老齢年金もしくは退職年金を一定金額以上受給している方が課税対象となります。住民税と同様に、障害年金や遺族年金は対象外です。

3. 「年金振込通知書」の見方。確認したい項目7つ

10月に年金振込通知書が送付された際に確認すべきポイントを押さえておきましょう。年金振込通知書には以下のような内容が記載されています。

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出所:日本年金機構「年金振込通知書(2:年金振込額に変更があった場合)」

出所:日本年金機構「年金振込通知書(2:年金振込額に変更があった場合)」

3.1 年金支払額

今回支払われる年金の金額が記載されています。(2)~(5)の特別徴収が行われる前の金額で、「額面金額」にあたるものです。

3.2 介護保険料額

特別徴収される介護保険料の金額が記載されています。

3.3 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料

特別徴収される後期高齢者医療保険料または国民健康保険料が記載されています。(後期高齢者医療保険料や国民健康保険料が特別徴収されるときのみ)

3.4 所得税額および復興特別所得税額

次の計算式で算出された金額が記載されています。
{年金支払額-(社会保険料(※1)と各種控除額(※2))}×5.105%
※1 社会保険料:特別徴収された介護保険料と、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料の合計額
※2 各種控除額:扶養控除や障害者控除など

3.5 個人住民税額

特別徴収される個人住民税額の金額が記載されています。

3.6 控除後振込額

年金額から特別徴収される社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の振込金額で、「手取り額」にあたるものです。

3.7 振込先

年金振込先の金融機関名の支店名が記載されています。

年金振込通知書がお手元に届いた際には、8月までと10月からとで、どの項目がどのように変わったのか確認しましょう。

4. 年金振込通知書のまとめ

10月支給分の年金からは保険料や税金など特別徴収される金額が変更になることがあり、それに伴い年金手取り額も変更になる方がいます。

対象者には年金振込通知書が送付されますので、どのような項目がいくら変更になるのか、忘れずに確認しましょう。

参考資料

木内 菜穂子