5. 仕事と介護の両立は「試行錯誤」の連続

今回紹介した「介護休業」「介護休暇」のほか、介護保険サービスなど、介護をする人とその家族を支援する公的な制度は、昭和から平成のひところに比べれば格段と進歩しています。

また、民間企業やNPOなどが主体となる介護保険外サービスを自費利用することで、介護と仕事の「無理ない両立」に繋がることもあるでしょう。

とはいえ、高齢化や核家族化が進む今、すべての家庭の困り事が解消されているわけではありません。

筆者自身、家族の介護で悲鳴を上げて上長に相談した経験があります。

具体的には、時間単位で介護休暇を取得して介護の体制を整えた後、負担の軽い部署への配置転換が行われました。これが奏功して、筆者はワークライフバランスを整え、心身の健康を取り戻すことができました。

筆者にとっては非常にありがたい配慮であったことはもちろんですが、この事例は、社員の心の不調に気づく社内体制作りのきっかけになったことを、のちに聞きました。

これは、介護に限らず育児や健康面での不安など、それぞれの事情を抱えて働く仲間にとって大きなプラスとなっていくはずです。

6. 心のコップがあふれてしまう前に「できること・使える制度」を探そう

子育てとは異なり、介護は先が見えにくいです。希望の光はささず、絶望の暗闇しか見えないときもあります。

心のコップから水がこぼれてしまう前に、そして早合点で介護離職を決断してしまう前に「できること・使える制度」を探してみましょう。そして、もし仲間の静かな悲鳴に気づくことができたら、手を差し伸べてあげましょう。

「仕事と介護の両立」には、心身のエネルギーの消費とともに、試行錯誤が伴います。勤務先の理解、そしていっしょに働く同僚たちの協力が大きな力となってくれることは確かなのです。

参考資料

吉沢 良子