2.3 「繰下げ受給」のデメリット3. 加給年金が受け取れなくなる

繰下げ受給を選択してしまうと「加給年金」が受け取れなくなるため、注意が必要です。

加給年金とは、年金の「扶養手当」「家族手当」にあたるもので、一定の要件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる年金を指します。

本来であれば受け取れるはずだった加給年金を、繰下げ受給をしてしまったことで受け取れなくなってしまうため、該当する場合は「どちらの選択が得になるのか」を今一度考えておく必要があります。

3. 「年金」以外にも老後の備えをしておこう

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本記事では、老後になってから受け取る年金額を増やす方法の1つ「繰下げ受給」について詳しく解説していきました。

繰下げ受給を選択することで、老後に受け取れる年金月額は増やせますが、繰下げ受給を選択したことでデメリットと感じる内容もいくつか存在します。

また、現代においては「年金だけで生活していく」のは難しく、厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、100%年金だけで生活している人は、全体の44%となっています。

上記からも、「年金を増やす」という選択肢以外に、「老後資金を蓄える」ということも視野に入れて老後の備えをしておけると良いでしょう。

事前に、老後に受け取れる年金月額や老後に必要な生活費をシミュレーションして、不足分はいくらになるのかを考えておくことが大切です。