1.1 「繰下げ受給」で年金月額はどう変わる?
前章では、「繰下げ受給」をした場合の増額率について解説しましたが、具体的にはどのくらい年金月額に変化が出るのでしょうか。
厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は14万3965円でした。
1万円未満の端数は切り捨て、年金月額を「14万円」と仮定して試算した場合、繰下げ受給を行うことで月に受け取れる年金は下記のように変わります。
繰下げ受給をしないと14万円だった場合、1年遅らせることで15万1760円になります。
もし5年遅らせば19万8800円に、10年遅らせば、25万7600円にまで増えるのです。
年金を65歳で受け取るか、75歳で受け取るかで受給額に大きな差が生じることから、自身のライフプランを加味したうえで検討したい制度と言えるでしょう。
一方で、繰下げ受給にはデメリットも存在します。ここでは3つに絞って確認しましょう。