2024年からNISA制度の改定が予定されています。国が掲げる「貯蓄から投資へ」を実現するための施策として注目を集めています。
筆者も仕事柄、貯蓄に興味を持たれる方をよく見かけますが、NISAやiDeCoといった制度を利用して将来のお金を準備する方が増えているように感じます。
長い老後が待っている私たちにとって、お金事情は悩みの種。しかし、何から準備をするべきか良く分からないという方も少なくないでしょう。
具体的な準備をする前には、計画が必要です。
そこで今回は将来の資金計画を立てるために、実際に年金を受け取っている方達がいくら受け取っているのかを確認していきましょう。
ここでは、65歳以上「無職の夫婦世帯」の年金や平均貯蓄、支出などから将来の金銭事情を深堀りします。
1. 65歳以上「二人以上の世帯」の平均貯蓄額はいくら?
まずは、65歳以上「夫婦世帯」の平均貯蓄額からみていきましょう。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」の発表したデータでは、世帯主が65歳以上である二人以上世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布が下記のような結果になりました。
貯蓄保有世帯の平均値は「2414万円」で、中央値は「1677万円」となっています。
平均値とは「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」を指し、貯蓄額が多い人がいると、平均値がその金額に合わせて引き上げられる傾向にあります。
一方で中央値は、対象となるデータを小さい順に並べ、中央にある値を指しています。
つまり、より実情に近く、一般的な貯蓄額の実態について知りたい方は中央値を参考にすると良いでしょう。
65歳以降になると、退職金や相続などの受け取りも行われます。大きな収入が発生することで貯蓄額が一気に上がる人もいるのでしょう。
また、貯蓄額が2000万円以上の世帯が全体の約4割 (42.5%)を占めている一方で、貯蓄額が300万円の世帯が全体の約1割(14.4%)存在していることもわかります。
65歳以上の世帯では、「貯蓄の格差」がある現状がうかがえます。