2. 65歳以上の年金受給額はいくら?
本章では、65歳以上の夫婦世帯がもらえる年金受給額について紹介していきます。
老後生活のスタート時点で、主な収入源は「老齢年金」となる方が多いかと思います。
厚生労働省の発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、厚生年金(国民年金の年金月額を含む)の平均受給額は下記の結果となりました。
男女全体の平均年金月額は「14万3965円」で、男性の平均年金月額は「16万3380円」、女性の平均年金月額は「10万4686円」とわかります。
厚生年金は、会社員や公務員が加入する2階部分の年金です。
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建てであることから、国民年金だけを受給する人よりも受給額が多い傾向にあります。
同様に、厚生労働省の同資料にて国民年金の平均受給額をみていきましょう。
男女全体の平均年金月額は「5万6368円」で、男性の平均年金月額は「5万9013円」、女性の平均年金月額は「5万4346円」でした。
国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する公的年金です。なおかつ保険料が一律であるため、平均月額に大きな差はみられません。
一方で、厚生年金の場合は加入状況によって受給額に個人差が出ます。そのため、男女のボリュームゾーンにバラつきが生じています。
会社員や公務員といった厚生年金の対象者の場合は、厚生年金適用の職場で長く働き、多く稼いだ人ほど年金が多くなる傾向があります。
この傾向から、収入の男女差が年金受給額に反映されている状況だとうかがえます。
なお、年金受給額は働いていた時代の年金加入状況によって受け取れる年金額が変わってきます。
あくまでも今のシニアが受給する年金額である点にご留意ください。
同じように、過去にねんきん定期便で確認したことがあるという方も、金額に変化があるかもしれません。
定期的に確認する習慣をつけておきたいですね。
3. 65歳以上「無職の夫婦世帯」の家計は赤字?黒字?
前章では、老後の主な収入源となる「年金」の受給額についてみてきました。では、果たして年金受給だけで老後の生活はしていけるのでしょうか。
「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」の調査データによると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記の結果になりました。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支をみると、実収入は24万418円に対して、自由に使える可処分所得は21万4426円という結果でした。
一方で消費支出は23万6696円で、「2万2270円」赤字になっているのがわかります。昨年の結果(赤字:1万8525円)よりも、赤字のボリュームが大きくなっていました。
なお、内訳の「住居費」は、持ち家世帯を前提としています。その分、費用が低く設定されているため、賃貸住宅に住む世帯の場合は、この結果にプラスでお金がかかる見込みだといえるでしょう。
また、持ち家世帯であっても、経年劣化による家の修繕費が突発的に必要になるケースも考えられます。突然の大きな出費に備えておくとよいでしょう。