セブン&アイ・ホールディングスの「海外コンビニエンスストア事業」

海外コンビニエンスストア事業は、同社売上の73.9%を占める。

ただし、北米コンビニエンスストアではガソリンスタンド併設店が多く、ガソリン売上の比率が、海外コンビニエンスストア事業売上の65%前後と高い割合を占めていることに留意する必要がある。

【北米の7-Eleven, Inc.】

品質及び収益性の高いオリジナル商品(フレッシュフード、専用飲料、プライベートブランド商品)の開発と販売の強化、デリバリーサービス「7NOW」の取り組み強化、デジタル技術の活用による顧客ロイヤリティの向上に努めた。

これらの結果、当上期のドルベース・米国内既存店商品売上は前年同期を上回った。

商品売上が伸長したものの、ガソリンの価格下落と販売量の減少により減収となり、利益面では商品荒利率の改善及び為替レート変動に伴う影響等により前年同期と同等であった。

なお、2021年5月に取得したSpeedway事業との統合に関するプロセスは順調に進捗し、当連結会計年度では800百万米ドルのシナジー発現を見込んでいる。

【7-Eleven International LLC】

  • 2025年度までに日本及び北米を除く地域で5万店の店舗網の確立
  • 2030年度までに日本・北米を含めた全世界で30の国と地域での店舗出店

を目指す方針のもと、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推し進めている。

既存展開国については、7-Eleven International LLCによるベトナム事業に対する投融資を2023年2月に決定した。

また、新規展開国については、2023年1月にイスラエル、9月にはラオスに出店し、これにより世界におけるセブン-イレブンの展開エリアは20の国と地域となった。

以上より、海外コンビニエンスストア事業は、

  • 営業収益:前年同期比▲3.8%の4兆268億5300万円
  • 営業利益:前年同期比▲2.4%の1128億3200万円

と減収減益になった。

セブン&アイ・ホールディングスの「スーパーストア事業」

【株式会社イトーヨーカ堂】

2022年度までに実施した構造改革の成果を発揮するとともに、収益性改善に向けた抜本的な施策を進めている。

その一環として、セブン&アイグループ初の共通インフラであるPeace Deli流山キッチンでは、2023年3月28日より同工場で加工された生鮮食品やミールキットの首都圏店舗への供給を開始した。

また、2023年8月よりイトーヨーカドーネットスーパー新横浜センターが稼働し、店舗改装を通じた既存店活性化にも取り組んでいる。

当上期は人流回復を主因にテナント等の売上が回復し、テナント含む既存店売上は前年を上回った。しかし、エネルギーコスト上昇による水道光熱費の増加等により、前年同期の損失より回復したものの28億3400万円の営業損失となった。

なお、株式会社イトーヨーカ堂と株式会社ヨークは、首都圏のスーパーストア事業におけるシナジー及び運営効率を最大化すべく、2023年9月1日付で、株式会社イトーヨーカ堂を存続会社とし株式会社ヨークを消滅会社とする吸収合併を完了した。

【株式会社ヨークベニマル】

既存店の活性化、デリカテッセン等の開発及び販売強化の取組みを進めている。

当上期では人流回復に加え、原材料価格高騰への適切な値上げ対応及び販売促進が奏功し、既存店売上は前年を上回りました。この結果、エネルギーコスト上昇による水道光熱費の増加は続いているものの、営業利益は前年同期比+3.4%の92億3900万円と増収増益を達成した。

以上より、スーパーストア事業は、

  • 営業収益:前年同期比+2.0%の7290億9100万円
  • 営業利益:前年同期比+2.9%の44億3000万円

と増収増益になった。