セブン&アイ・ホールディングスの「金融関連事業」
株式会社セブン銀行における当第2四半期末時点の国内ATM設置台数は2023年度2月期末より182台増の2万7071台となった。
人流回復に伴う預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引が増加した。
また、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高水準を維持したこと等により、1日1台あたりのATM平均利用件数は前年同期比+4.9件の104.6件となり、ATM総利用件数は前年同期を上回った。
また、バンキング事業・ノンバンク事業の一体運営によるシナジーを追求するため、2023年7月1日付で、株式会社セブン・フィナンシャルサービスが保有する株式会社セブン・カードサービスの全株式を株式会社セブン銀行に譲渡した。
以上より、金融関連事業は、
- 営業収益:前年同期比+7.4%の1028億7600万円
- 営業利益:前年同期比+3.3%の199億9000万円
と増収増益になった。
セブン&アイ・ホールディングスの「そごう・西武」
そごう・西武は、
- 4期連続の最終赤字
- 当社からの財務支援を含め約3,000億円の有利子負債を抱える借入過多の状況
となっており、新たなスポンサーによる支援を含む事業立て直しのための抜本的な改革が避けられない状況であった。
- 同社グループの経営資源を用いた事業構造改革は、2023年3月9日にアップデートされた同社グループ戦略の方向性と適合しない
- そごう・西武の顧客への提供価値および事業価値の最大化を図ることは困難
であると判断した。
その結果、そごう・西武の「事業の継続」および「雇用の継続」への最大限の考慮を条件として、ベストオーナーを選定するプロセスを行い、複数の候補の中から慎重に検討を重ねた結果、フォートレスをベストオーナーとして選定した、としている。
セブン&アイ・ホールディングスの業績予想の修正
ガソリン小売価格の推移および日米コンビニエンスストア事業の商品売上の状況等を勘案し、通期の業績予想(営業収益のみ)を以下のように修正した。
- 営業収益:▲0.8%の1143億2000万円
- 営業利益:据え置き
- 経常利益:据え置き
- 親会社株主に帰属する当期純利益:据え置き
セブン&アイ・ホールディングスの配当
剰余金配当は、
- 中間配当:前期比+7円の1株あたり56.5円
- 期末配当:前期比▲7円の1株あたり56.5円
として、年間配当は前期と同額の1株あたり113円を予想している。
配当予想の修正はない。
セブン&アイ・ホールディングスの株価
2024年2月期第2四半期連結決算の発表前となる、2023年10月12日の終値は5758円であった。
年初来高値は、2023年3月9日の6619円である。
好決算の発表を受けて、株価は大幅に下落し、2023年10月13日の終値は5500円であった。
参考資料
石川 貴康